〈技術士 1次試験〉R元年・14問目 都市計画の思想

今日は技術士1次試験のR元年の問題。

14問目の都市計画の思想について。

 

 

過去問は下記のHPから取得できる。

「公益社団法人 日本技術士会」過去問 第一次試験 令和元年度 建設部門

 

 

 

選択肢➀ クラレンス・アーサー・ペリー

アメリカの社会学者で近隣住区の提唱者。

計画的に整備された都市。

幹線道路で区切られた小学校区をひとつのコミュニティとする。

半径は400m程度。人口は5000人程度。

この範囲の中に小学校、公園、コミュニティセンターを配置して、幹線道路沿いに商店を配置する。

区域内の道路は入り込み交通を排除するために走りにくくする。

選択肢の文は、住区内の生活の安全を守り、利便性と快適性を確保する、とある。

ポイントは小学校の校区を街の標準単位とするところ。

この理論に基づいて計画された街が多摩ニュータウンらしい。

 

 

 

選択肢② エベネザー・ハワード

イギリスの社会学者で近代都市計画の祖といわれる。

田園都市。

産業革命のイギリスでは、雇用の場である都市に人口が集中し、人々は自然から隔離され、遠距離通勤や高い家賃、失業、環境悪化に苦しんでいた。

そこで、ハワードは田園都市というものを提唱した。

人口3万人程度の限定された規模。

自然と共生し、職住近接型の緑豊かな都市を都市周辺に建設しようとする構想

この構想は今回のコロナ禍において、再び脚光を浴びている。

テレワークにより田園都市に住みながら、仕事が可能ではないか、というもの。

 

選択肢➀のクラレンス・ペリーも、当時、脚光を浴びた田園都市に住みながら近隣住区論を作り出した。

だから、近隣住区論よりも田園都市論の方が古い。

有名なところでは、ハワードの提唱を受けてロンドンの郊外に作られらたレッチワースが最初。

 

 

 

選択肢③ グリーンベルト・タウンズ

グリーンベルトという名前は色々ある。

選択肢は正解のようなので、覚えてしまおう。

アメリカ政府の不況対策の一環として開発した田園郊外の総称。

ワシントン郊外のグリーンベルトシンシナティ郊外のグリーンヒルズミルウォーキー郊外のグリーンデイルの3都市が実現した。

 

 

 

選択肢④ コンパクトシティ

コンパクトシティは現在の「新国土形成計画」の中にも出てくるキーワードで現在でも健在、というより、今なおまちづくりでは、メインテーマとなる考え方。

しかし、この設問は歴史的な部分を聞いている。

スタートは20世紀末に欧米諸国を中心に環境問題への関心が高まった。

都市の無秩序な拡張を押しとどめ、持続可能な都市のありかたが地球環境に必要との考え。

なので、現在、日本で提唱されている考え方とは若干違うけど。

日本では、人口減少に伴い、きれいに都市をたたむ、という考え方が近い。

 

 

 

選択肢⑤ エリアマネジメント

エリアマネジメントについては過去のブログで検討した。

未来のインフラを考えるメモ「エリアマネジメントが期待されるようになった背景」

簡単に再掲すると

エリアマネジメントが求められる背景

・人口減少社会で、モノを作るのではなく、これまで作ってきたモノを活用する、育てるにシフト

・地域も稼ぐ力が必要で、そのためには活力ある地域が必要で、そのためには魅力ある地域づくりが大事

・価値観の多様化によりボランティアや社会貢献に対する関心が高まった

ということ。

ここまでが、過去のブログメモ。

 

選択肢が正解とされているので、これを転記しておく。

・住民、事業者、地権者(行政ではない)により行われる文化活動、広報活動、交流活動

・上記の活動を計画的、継続的に行うことで、街の活性化、都市の持続的発展を進める自主的な取り組み

 

となっている。

 

 

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