モニタリング技術とセンシング技術

先月号の日経コンストラクションを読んでいて気になるところをメモしておく。

しばらくは日経コンストラクションの記事から備忘録としてメモっていく。

 

 

さて、内容はというと、公共土木施設の点検にモニタリング技術を駆使しよう、という記事。

最近よく、モニタリング技術とかセンシング技術とかのキーワードが当たり前のように出てくるけど、よく分からない。

この2つの語句の違いも正確に知らない。

 

 

最近は防犯カメラがまちのあちこちに整備され、モニタリング社会になった、といわれる。

モニタリングという言葉のイメージは、対象物をじーっと一定期間(継続的)に見ている(監視している)状況から、対象物の変化の様子を捉え考え(分析)して答えを出す、という感じ。

テレビでも「人間観察モニタリング」という番組がある。

あの番組はどちらかというと、芸能人にどっきりを仕掛けて、そのびっくりする様子を見て笑う、というものだけど、実際のインフラ施設のモニタリングといえば、インフラ施設に計測装置を取り付けて、データを収集しながら、その変化の様子などから、インフラの健康状態を見る、というイメージを持つとよい。

場合によってはどっきりする場合もあるだろう。

違いはその後に処置をする場合がでてくること。

つまり、モニタリング技術とは、ある事象を「計測」し、そのデータを「収集・伝送」した上で「分析」するための技術やシステムのこと。

 

次にセンシング技術という言葉もある。

センシング技術とは、センサー(感知器)などを使用してさまざまな情報を計測・数値化する技術の総称。

温度や音量、明るさ、衝撃の強さといった要素を定量的データとして収集する。

ちなみに、センシング技術のうち、離れたところにある対象を、遠隔操作によって(接触することなく)感知して計測する技術を特にリモートセンシングという。

なので、モニタリング技術とは考え方のことで、その考え方を取り入れた代表的な手法(センサーを活用した)がセンシング技術となる。

 

 

今、土木業界にもこのような技術がどんどん取り入れられている。

そして、それらがこれまでと異なるのは、従来はすべてゼネコン関係の仕事だったものが、モニタリング技術の場合、NECやドコモ、他にも大学発のベンチャーやスタートアップなど、建設業界とは関わりの無かった企業が入り込んできている。

 

 

 

この6月、国交省は点検支援技術性能カタログを改訂した。

この点検支援技術性能カタログときくとNETISと何が違うのだ、と思うかもしれない。

 

その前に、NETIS新技術情報提供システム)について少しメモ。

このシステムは、国土交通省によって運営されてる。

これは、民間企業等が開発した新技術を、共有及び提供するためのデータベースのこと。

現在はどんどん新技術が生まれている。でも、どんな技術があるのか、需要側も把握しきれない。

そこで、開発メーカー、つまり供給側はこのNETIS新技術情報提供システム)に登録していく。

利用したい、つまり需要側は、このシステムから探すことで目的に合った新技術を見つけることができる。

つまり、ニーズとシーズのマッチング、という情報共有システムのこと。

 

そして、点検支援技術性能カタログは、このNETIS(新技術活用システム)の中から、国管理施設等の定期点検業務で仕様確認が行われた技術を対象としている。

さらに、国が定めた性能値を開発者に求め、開発者から提出されたものをカタログ形式でとりまとめたもの、となっている。

つまり、NETIS新技術情報提供システム)に登録するだけでは、国が品質などを認めたことにはならない。

開発側が比較的、自由に登録できる制度といえる。

逆に、有象無象の技術が含まれている、ということ。

そういう意味では、点検支援技術性能カタログは、国が定期点検業務で実際に仕様確認が行われているので、いくらかは信頼性が高くなる。

 

 

今回の記事に戻るが、この点検支援技術性能カタログに、橋梁のモニタリング技術を加えた、ということ。

つまり、橋梁点検には、どんどんとモニタリング技術を使え、という意思の表れでもある。

では、モニタリング技術を使わない現在はどうやって、橋梁の点検を行っているのか?

それは近接目視である。

5年に1度、建設コンサルタントの専門技術者が1橋1橋を目視で点検していく。

そのため、足場をかけたり特別な作業車を使ったり、ロープアクセスという忍者のような手法を使ったりしながら、近接目視によって点検している。

 

しかし、2024年度の第3ステージでは、近接目視のウェートを国は下げる方針を掲げた。

その布石は打ってあり、2019年2月には、すでに定期点検要領が改定され、非破壊検査やICTを使ったモニタリング技術の導入を認めていた。

今回のカタログの改訂は、定期点検要領で謳われたモニタリング技術を実際に使えるように、カタログに掲載した、というもの。

なぜなら、地方都市は技術系公務員が不足しており、目視点検など実施できない状況。

やがて、地方からインフラ崩壊が起こるリスクはどんどん高まっている。

そのため、第3ステージ、つまり点検の3周目は、さすがに目視しなくても良いから、効率重視で行こう、というもの。

 

 

ただ、問題がないわけではない。

橋にセンサーをたくさん取り付けて、異常が出たら即対応しよう、ということだけど、すべての橋梁に必要なのか?という疑問。

ずみ計や変位計、加速度計などの多くのセンサーが設置されているが、センサーを付けるということはセンサー自体のメンテナンスも必要になるということ。

橋のメンテの前にセンサーのメンテが面倒・・・となってくる。橋の耐用年数が80年とか100年に対し、センサーは数年から十数年。

センサーの設置コスト、維持管理コスト、更新コストもかかってくる。

つまり、品質だけでなく、費用対効果で疑問がでているから、多くの自治体が使わないのである。

そんなに橋梁ごとにセンサーを取り付けなくても、5年に1回、近接目視点検を行えばで良いではないか、となる。

 

 

 

一方、国交省も自治体に対して、効果の面を伝えようとしている。

「モニタリングシステム活用ガイドライン」をつくり、モニタリング技術で何ができるのかを伝えている。

現在は、センシング技術の方がコストが高くても、今後2~3年先には、センシング技術で対応したほうがメンテンナンスコストは下がり、安全性も高まる、とみられている。

確実なコスト差がみられるようになれば、自治体も税金で橋梁を運営している以上は、センシング技術を使わざるを得なくなる。

もう少し、値段が下がるのを待つことになるのかな。

 

 

記事では、水位計や道路パトロールカーに設置した振動計測装置などのモニタリング技術が紹介されている。

これらは安価であり、メンテナンスコストもそんなにかからない。

また、橋梁のたわみの計測などは、通常の近接目視でも把握できない項目があり、それらはモニタリング技術が定期点検の補助的役割も担う、という。

ただ、そのたわみを常時観測となると、電源確保、データ保存、データ伝送、大量データの分析などとなって、先ほどのようにコストもかかり手間も大がかりとなる。

そこで、もっとハンディタイプで、月に1度、置くだけで橋のたわみを測定するような手法と組み合わせることもできる、と書かれている。

これは、センサーで常時計測して異常を瞬時に把握し、予防保全を実施していく、という考えとは若干異なるが、費用対効果を見極めて、組み合わせて使うべきだと思われる。

例えば、すでにひび割れが相当進んでいて、ある「しきい値」を超えた瞬間に通行止めをしなければならない、という場合は、モニタリング装置を設置すべき、ということになる。

常時モニタリングしておいて、その瞬間がきたら即対応できるように、ということ。

 

 

 

さて、記事を読んでいて、概ねその通りだと思っているけど、一気に普及するような状況ではないのだろうな~と思った。

なぜなら、コストと手間がかかって、あまり画期的感がしないから。

結果を聞くと、理想的な状態になるように聞こえるが、そのためのコストや手間が大きくて、慣れ親しんだ現状の方法を変えるだけのモチベーションが働かないのではないか。

ここは国交省あたりがモニタリング技術の活用支援策など検討すべきと思われる。

ある程度普及が進めば、1基あたりの設置コストも下がってくると思われ、加速度的に広がっていくのではないか。

 

 

今日は、日経コンストラクションの記事を読んでの感想めいたメモになったけど。

最近は、技術士の1次試験の問題の総復習をしていたこともあってブログはあまり更新していないが、とりあえず復習は終わった。

来週あたりからH29年度の過去問に入ろうかと思う。

それはそうと、明日は技術士の2次試験の日らしい。

もともと目標はゆっくり3年から5年くらいかけてゆっくり。というつもりだったけど、そんなにかからなそう。

来年度は4月に申込があるはずなので、場合によっては受験してみようか、とも思っている。

まあ、仕事の状況次第では勉強できなくなるので、そのときはすっぱりと延ばすつもり。

 

 

 

 

 

 

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