生産性革命プロジェクト(スマートシティ編)独り言

国交省の肝いり施策 生産性革命プロジェクト。

R元年度の技術士の2次試験の論文でも出されている。

なので、技術士論文対策もかねて、まずは独り言をメモっていく。

 

 

前回のブログを書くのが楽しかったので、その第二弾。スマートシティ編。

つい先日、グーグルの持ち株会社アルファベットの子会社(記事ではグーグルの兄弟会社)がカナダのトロントでのスマートシティ計画から撤退、と報道された。

記事では、コロナとの事だけど、実際、すでに破綻しかけていたといく。

やっぱり、個人情報の壁は想像以上に厚いと思う。

そんな状況だけど、わが日本においても、スマートシティ計画は進められている。

この前もスマートシティプロジェクト実行計画が15の都市で選定されたし、さらに追加公募も行っている。

 

このブログでは、基本は思いつきをただひたすらメモるだけにしたい。まだ、技術士の試験を今年は受けない、今の段階は。

2年後くらいに技術士の試験を受けるつもりなので、どこかのタイミングで論文としてのまとめ方も考えないといけないけど。

 

 

 

おさらいになるけど、前提条件として最低限の知識の確認。

国交省の生産性革命プロジェクトは4つの観点が示されている。

・ 次世代モビリティとスマートシティ

・ i-Constructionなどによるインフラ整備・管理・高度化

・ データ活用

・ 観光施策と新たな空間創出による地方創生

とこんな感じ。

 

 

前回は「次世代モビリティ」の記事を書いたので、今日は、「スマートシティ」。

せっかくなので、今回も、令和元年の技術士2次試験(必須科目Ⅰ)の流れで考えたい。

(1)多面的な視点で複数の課題の抽出

(2)最大の課題を1つを挙げて複数の解決策の提示

(3)複数の解決策に共通する新たに発生するリスクとその対策

(4)その対策を実施する上で必要な要件 それを技術者倫理と持続可能性の観点から

 

スマートシティ自体は、これまでもブログ記事を書いているので、意外と書けるんじゃないか、と思っている。

それでは始めてみる。

 

 

・・・・

まずスマートシティを整備するには、情報保護と情報収集の相反する情報管理が求められる。

事実、カナダのトロントがとん挫したのがこれ。

一方で、情報保護が厳格に運用されていない中国ではスマートシティが成功した。

確かに、都市としての最適化を図るのであれば、個人情報を収集して初めて都市全体の最適解を得ることができる。

一方、個人からすれば、日々の暮らしの情報が丸見え・・・丸見えって程でもないようにぼくは思うけど、嫌な人には嫌なのだろう。

これをどう両立させるのか?

 

一つには、その街で暮らす条件として、〇〇のサービスを受けるなら〇〇の情報をださなければならない。

という、義務と権利をセットにして入居・・・入街?してもらう。

でも、これはウーブンシティのように、ゼロから作る街、それを了解している人たちが住み始める街、そんな街意外では難しい。

なので、じわりじわりと浸透していくタイプが実現性は高そう。

どういうことかというと、まず最初に、スマートシティ内では、情報を街と共有するのが当たり前、ということが諸外国で出始める。

やがて、国内でもウーブンシティでそれが当たり前になる。

どこかの世界では、個人情報が洩れる事件はそれなりに発生する。

そのことを左派系の新聞なんかが大騒ぎをする。

だけど、それ以上にスマートシティのメリットが大きく、それを避けるデメリットを企業や行政が耐えられなくなる。

企業がマスメディアを使い、その効果を宣伝しはじめる。

やがて、みんなが情報の一元管理については目を瞑るようになる。

マスメディアも騒がなくなる。

社会が受け入れた状況となる。

なので、外国よりは2周くらい遅れる。

おそらく20年とか30年とかかかるんじゃないか?すごく適当。

この遅れている間に、スマートシティを作る上でのプラットフォームを外国に握られる。

しかし、そのプラットフォームを使ってでも、進めなければいけないので、遅ればせながらも進んでいく。

そんなステップで進むんじゃないか、と思っている。

 

 

 

複数の企業が情報をシェアする仕組みが必要となる。

今、個人の行動に関する情報は、おのおのの企業のクラウドに集積される。

そして、それらは各企業が商品開発や販売戦略を練る際の貴重なデータとなる。

しかし、街全体で最適化を図ろうとしたとき、各企業が集めたデータを吸い上げなければいけない。

個人情報だけでなく、自治体が所有しているデータのオープン化もどこまで進んでいるのだろうか?

企業だけでなく個人や行政もデータを出す必要がある。

その上でのどこに無駄があり、どこを厚くすれば良いのか、このようなビッグデータ解析が必要になる。

しかし、各企業にメリットがなければ、その情報を出すことはない。

そのメリットをどううみだすのか。

単に情報を搾取されているだけ、としか捉えられなかったら、進まないだろう。

これが、どこかのガリバー企業がすべて街から作る場合は可能だし、共産圏の国なら可能なのかもしれないが、現状の日本では難しい。

そういう意味でもウーブンシティには期待。

裾野市も、つい先日、「スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ(SDCC)構想」を打ち出した。

これもどこかで、ブログとして取り上げたいけど、今日は技術士の勉強勉強。

 

 

 

少し煮詰まってきたので、一度、国交省のスマートシティの定義に戻る。

・都市の抱える課題解決にあたりICTなどの新技術を活用する。

・マネジメントも行うので、全体最適が図られ持続可能な街

これが国交省の定義するスマートシティ。

 

 

ところで、都市の抱える課題とは何になるだろう?

・少子高齢化

・低い生産性

・社会資本の老朽化

・エネルギー問題

などだろう。

最近では新たな課題として、コロナ禍以降の新たな生活スタイルの構築も課題として良いかもしれない。

 

 

ところで先日、発表された「スマートシティ実行計画」

ここで、15の都市がモデル都市として選ばれている。

中身を見たけど、確かに、少子高齢化や低い生産性への対応策が計画に盛り込まれているんだけど、スマートシティというより、個別の新技術を使った施策、にしか見えない。

スマートシティというものが、都市をまるごとICTにより包んでしまい、全体最適を図るような取り組みだというのなら、そのような計画は15のモデル都市にはなかった。

いつまで思考を巡らしても、批判ばかりになるので、このあたりで、技術士の論文形式でまとめに入りたい。

 

 

(1)多面的な視点での課題とは?

・ 都市まるごと全体最適を図る施策は、一定の個人情報が吸い取られることに対し、国民の意識がまだ醸成されていないこと。

・ 各企業に対し、自社が持ってるデータを提出しようと思うだけの動機付けができていないこと。

・ 都市の全体最適を図るためには、データの管理も含めてリーダーが必要だけど、そのリーダーが不在であること。

・ スマートシティ実行計画において、国の支援を受けて社会実験を行うにとどまり、持続可能な形で実装されるのか不透明なところ。

 

パッと思いつく課題はこんな感じだろうか。

 

 

少子高齢化の問題点は生産年齢人口の減少にあるし、生産性が低いことも同様の課題となる。

書いていて思ったけど、これって、あくまで行政の課題。

国や県市町の課題。

一企業が抱えている課題ではない。

となれば、リーダーは行政しかないだろう。

データの集積といっても、企業にとっては競合会社に大事なデータを差し出すことはできなくても、一定の情報保護というルールの中、行政にならば可能ではないか・・・難しいか。

 

 

解決するには、ICTを使い、マネジメントして・・・とか国交省が言ってるけど、それならば国がやるしかない。

だから、15の実行計画を選定したんだろうけど、そうやって補助金や助成金で釣るのも限界があるし、そもそも都市の全体最適になっていない。

 

 

あと、今なら

3密を避けた生活、リモートワークが進んだ生活を定着させるため、スマートな街づくり、という視点もいるのかな?

 

 

(2)最大の課題と複数の解決策

最大の課題・・・

それは新技術の未熟さもあるだろうし、デジタルシフトが進んでいないこともある。

情報に対する過剰な保護姿勢もある。

でも、やっぱり最大の課題、最大となると、個人や企業が情報を出そうとは思えない程度のメリットしか提示できていないこと。

になるような気がする。

 

では、その複数の解決策は・・・

民間企業がスマートシティ全体のプロットフォームを運営することは難しい。

可能だとすれば、一つのメーカーでその街の全ての製品が使われている状況を作ること。

例えば、クルマは全てトヨタ製、家電は全てソニー製などなど。

でも、これができるのは、ひとつのメーカーが待ちを丸ごと作るようなパターンに限られてくるから、一部そういう街ができるかもしれないけど、全国展開を考えたときは現実的でない。

 

であるならば、

・行政がプラットフォームをもって、情報保護ルールを作り運営すること。

・企業や個人が情報を出すことで得られるメリットを提示すること。

・そのメリットを最大限にするだけの技術を確保すること。

・技術の確保は、経済面だけでなく情報保護の面でも同様とすること。

・自動運転、IoT防犯灯など、安全面でも技術革新が進むこと。

・その技術が使いやすい、いわゆるユーザー思考を持つこと。

・そこに住むことが格好良い、ステイタスを感じることができるような気運を高めること。

これらが解決策として考えられる。

 

 

(3)解決策から新たに発生するリスク

解決策を実行することで、発生する新リスク・・・?

 

リスク・・・デジタルデバイドというか、地方では都市に比べて高齢者が多い。

例えば、せっかくのデマンド交通ができてもネットを経由して呼べない高齢者は、その恩恵を受けられないばかりか、他の手段を絶たれるという問題が発生する。

結局、何もできずに前よりも不便になった、というのは大きなリスク。

自治体はどこまで対応できるのだろうか?

もう一つが、自治体間のデジタルデバイド。

プラットフォームを行政が持つ以外に真のスマートシティはない、と思うけど、その場合、自治体格差が生まれる。

うまくデジタルシフトが進んだ自治体はいち早く、スマートシティのプラットフォームを運営できるけど、そうでない自治体では不可能と思われる。

そうなると、スマートシティを運営するプラットフォームを専門とする企業が誕生してくるだろう。

自治体はそこに管理を委託することになる。

しかし、未だ、道路の管理すら包括管理委託が進まない現状では、「都市まるごと委託」は当分先になるだろう。

 

 

・・・少し、書きすぎた。

(3)ではリスクを書くにとどめるべきだった。

リスクとしては、高齢者などのディジタルデバイド。

でも、スマートシティに関しては、高齢者だけでなく、自治体間のディジタル格差が大きい。

 

 

(4)業務を遂行する上での要件は(倫理観と持続可能性を絡めて)

地方は都市部と比べると遅れている点が多い。

デジタルシフトが規模の小さい自治体では進まず、それがスマートシティを進める上での最大のリスクとした。

しかし、別の観点から見たとき、その弱点が強みになることもある。

 

今、東南アジアではスマホが一気に普及した。

これは、固定電話のための回線などもなかったことから、普及のスピードも速かったという。

遅れていたことが幸いするとは、そういうこと。

規模小さく、施設が整備されていない、ということは、ことスマートシティを実現する上においては、大きなアドバンテージになる。

 

 

冒頭で書いたけど、日本では、成功事例を積み重ねなければ、進まない、とぼくは思っている。

そのときの成功都市は、遅れてきた都市、いわゆる地方がその先鋒になると思っている。

自動運転でもそうだけど、デジタルを都市に実装するには、密集度が少ない地方が断然に向いている。

いや、向いているというより、地方で実装できないなら都心では無理だろう。

そういう意味では、先進的な田舎は千載一遇のチャンスかもしれない。

だから、先進的な地方都市において、スマートシティが成功し、そのメリットを享受した地方が豊かになっていく。

それを目の当たりにした地方が真似をして、やがて都市を含めた全国に広がる、このような経過をたどると思われる。

 

 

そのため、スマートシティの業務を遂行する上での要件。

それは、地方都市を含めた行政のデジタルシフト

最近ではDXの方が主流な言葉かもしれない。

これは、仮に行政が都市まるごと委託のような形になったとしても、行政自身にデジタルの素養がなければ、委託することもできない。

それは丸投げとなり、新たなリスクを生む(←ここを(3)で書いても良かったかな)

 

 

技術者として、倫理観の観点から答えろ、とのこと・・・

・・・・一企業、一メーカーが恩恵を受けるようなシステムを作ってはいけない。

利用できない高齢者がいてはいけない。

全体最適、つまり一人勝ちは居ないけど、皆が利益を感じることができるような、きわめて日本的なシステムが必要。

SDGsではないけど、誰も取り残さない社会、そんなまちづくりが求めらている。

デジタルデバイドで表されるように、高齢者一人ひとりが、その恩恵を受け取れるようなデジタルについての教育が必要。

 

 

最後に

今後、既存の各地方都市でスマートシティが進むとしたら、束ねる主体は自治体以外にない。

なぜなら、各都市が抱える諸課題を解決するのだから、都市の課題を一企業に任せておけば良いというものではない。

自治体と書いたけど、国の役割もある。

実際に動くのは自治体だろうし、ある程度の権限を持ちながら進めるのも自治体になる。

しかし、このままでは自治体は動けない。

中央政府である国は、地方政府である自治体が動けるように、制度面、技術面、金銭面において支援が必要。

その支援は社会実験に留まらず、実装され、定着を見るまでは支援し続けるしつこさが必要と思う。

 

 

いや~疲れた。

5000文字を超えてしまった。

技術士論文としては、この問題は600字詰めで3枚以内なので、1800文字に抑えないといけない。

いつか、手書きで書く練習もしないといけないけど、それはまだしばらくはいいかな。

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