〈技術士 1次試験〉H30年度・28問目 火力発電

今日は技術士の勉強。

平成30年の過去問。1次試験の建設部門。28問目の火力発電について。

問題文は「公益社団法人 日本技術士会」のHPで閲覧ができるようです。

「公益社団法人 日本技術士会」過去問(平成30年度 第1次試験)

 

 

火力発電については、以前、このブログでも書いたことがあるので、おさらいになるけど。

日本の電源構成は火力が8割近くに上る。

LNGと石炭がほとんど。

これらは輸入している。

エネルギー原料を輸入に頼るということは、生産コストが上がることを意味している。

そのためには、原子力と水力、再生可能エネルギーなどの比率を上げなければいけない。

そんなことを書いた。

 

 

でも、今日は試験勉強。

それでは、始めます。

分かりやすくをモットーにメモっていきます。

 

 

 

選択肢➀ 取放水口の配置

 

まず、火力発電所の仕組みを簡単に。

原理は基本、水力や原子力と同じ。

水を沸騰させ、その体積の大膨張による蒸気圧でタービンを回す。

タービンが回れば、連動して磁石が回転。

回転する磁石の周りにはコイルが配置されているので、誘導電流が発生する。

こんな感じ。

 

 

で、選択肢の問いは、取放水について。

火力発電所などは十分な冷却水が確保できる場所にしか建設できない

それは、蒸気になった熱々の後の水の処理があるから。

そういう意味では原子力も同じかな?

水については、2つの視点が必要になる。

1つは水を取って蒸気にする視点。2つ目は蒸気になった水を冷やして海に放流する視点。

 

 

水を取る取水口の配置についても、色々と注意しなければいけない。

まず、取水の目的は蒸気となり熱せられた水を冷やすため、というのが大きい。

もちろん、蒸気にするために取水する、つまり気化用水を取るための取水口も、もちろん必要だけど、冷却するための水が大量に必要になる、ということ。

ある程度まで温度を下げてあげないと、海に放流することはできない。

だから、なるべく冷たい水を取水したい。

そのため、夏場に温まってしまう表層水から取水する方法もあるが、温度の低い深層水から取水する方法を取られることの方が多い。

深層水の方が夏場の温度の影響を受けにくい、だとか放水した温水を取水することを避けるためだとかの理由がある

 

選択肢の問いを見てみる。

放水流を再循環させる、とある。

一見すると効率的に見えるけど、放水流はある程度加熱された水なので、冷却水として再利用することはない。

ここでは、取水はあくまで冷却水がほとんど、ということ。

気化するためには、ある程度温まっていた方が効率的にも見えるけど、微量なのだろう。きっと。

 

 

 

選択肢② 開閉所と変電所

 

送電線の引き出しと塩害に注意すべきか?との問い。

まず、語句の説明から。

開閉所とは、送電線の受・送電や停止などを行う施設。

送電線の引き出し、とは引き込みの逆。

 

 

少し、電気の旅をメモる。

スタートは各発電所で作られる電圧。50万V

これが送電線を通り変電所に送られ、減圧していく。

何度も各変電所に送られ減圧を繰り返す

その間に、その時々で下がってきた電圧を要求する事業者に送られていく。

10万Vにさがったときに鉄道会社

2万Vにさがったときに大規模工場やコンビナート。という具合。

そして配電変電所に送られ6000Vに変電されて、ビルや工場、街中の電線へ。

街中の電線から電柱の上にあるトランス100Vや200Vに変圧され、引き込み線で各家庭に送られる

電気のスピードは光の速度と同じくらい。

なので、発電所で発生した電気は一瞬で各家庭に送られている。

 

 

なんか、先人たちの驚異的な技術によって、生かされていることを感じてしまう。

おっと、こんな感傷に浸っている場合ではない。勉強勉強。

 

選択肢の➀でも、冷却水が必要といったように、海の近くに発電所は立地している。

だから、配置にあたって塩害防止は必須。

送電線の引出し、というのは引き込み線のこと。

 

 

 

選択肢③ 発電所本館とボイラー

 

これは選択肢の記述のとおり。

効率的、ということ。

 

 

選択肢④ 取放水路の形状

 

選択肢の記述のとおり。

選択肢➀でも取水口は海面から5~10mの深さにある深層水を取水することが多い、と書いた通り、管路以外では取水できない。

放水口の場合、海面に放流する表層放水の場合、開水路で整備している。

その他、水中放水の場合は管路で整備されている。

放水形式としては、表層放水が多いようである。この場合は開水路と思われる。

ただ、選択肢の問いにあるように、開水路の場合、地表面に出てくるので、敷地をその分取られることになるし、大きな水路ができることになるので、橋梁が必要になる、とう説明。

これは正解。

 

 

 

選択肢⑤ 燃料受け入れ設備

 

これはLNGや石炭を貯蔵設備のこと。

構内との接続、船舶の操船などのことを考慮して配置する。

また、気象、海象にまで気を配る必要がある、ということ。らしい。

 

 

 

今日は火力発電所。

あまり、意識する機会のない施設なので、なかなか新鮮だった。

こないだの水力発電もそうだけど、実務で関わったことのない分野の勉強は意外と楽しい。

いい調子。

 

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