さて、今日も技術士1次試験の過去問の勉強を始める。
今日は平成29年度の15問目、道路工学の問題をやってみる。
問題は下記のサイトで見ることができる。↓
公益社団法人 日本技術士協会 平成29年度 第1次試験 建設部門
幹線交通網評価に用いる4段階推定法、というものをメモっていく。
が、そのまえに幹線交通網評価とは何かを考えなければいけない。
一言で言ってしまうと、将来の交通量がどの程度になるのかを予測する手法となる。
最終的には、予測をして道路を計画したり、計画変更したりすることになる。
今日は以下のサイトから勉強した。↓
さて、流れを簡単に書いておく。
交通需要予測とは、前提条件の変化により交通状況の変化を推計すること。
それにより、代替案を合理的に評価したり、意思決定の客観的な材料にするもの。
将来の人々がどう行動するのか?また、施策を実施することで、行動はどう変わるのか?を推計する。
データを用いて交通行動モデルを作成する。
いわゆる関数である。
変数を代入することで結果を出してくる装置のこと。
すなわち交通行動モデルを作成することができれば、後は様々な計画案をぶち込めば、アウトプットとして推計された状況が判明する。
少し基礎的用語の勉強をする。
・ トリップとは
人または物が一つの目的をもって起点から終点に一方向に移動する単位である。
・ パーソントリップ調査とは
人のトリップを計測する交通実態調査のこと
・ 道路交通センサスとは
自動車のトリップを計測する交通実態調査のこと
・ 交通需要予測を行うとき、対象地域を複数のエリアに分けることをゾーニングという。
一つ一つのエリアをゾーンという。
・ OD表というのは、origin & destination
つまり、出発地と目的地ということ。
・ ネットワークデータ
ノードとリンクという言葉がある。
ノードとは、交差点や分合流点のこと
リンクとは、単路部のことで、ノードとノードをつなぐもの。
セントロイドとは、ゾーンの中心点のこと。
道路の評価指標について考えてみると
道路とは公共事業で建設されるものであり、分かりやすい評価指標が必要となる。
代替案を示す場合も同様である。
そのため、B/C(費用便益分析)、混雑度、アクセシビリティ指標、環境・エネルギーに関する指標などを用いることになる。
ここで登場、四段階推定法。
都市圏(対象地域)全体の交通量を4つのステップに分けて推計していく。
最終的には幹線交通網の交通量を推計する。
フローで考える。
・ 生成交通量を予測する ← 人口や土地利用を想定する
・ 発生交通量や集中交通量を予測する → つまり、どこで発生しているのか?どこで集中しているのか?
↓
・ 分布交通量を予測する → どこへ向かうのか、目的地はどこなのか?
↓
・ 交通機関分担を予測する → どの交通機関を使うのか?
↓
・ 配分交通量を予測する → どの経路を使うのか?
この太字の4つのステップを経て交通量を推定していく。
では、長くなったけど選択肢をみていく。
選択肢➀ ゾーニング
これは、四段階推定法を知らなくても読めば分かる問題。
こういう問題はやめてほしい。勉強した意味がなくなってしまう。
都市圏中心部と都市圏周辺部では、ゾーン区分の大きさが違う。
それは理解できる、都市圏中心部んでは、発生・集中交通量が大きいので、ゾーンニングは小さくなる。
きめ細かく把握しなければいけないから、当然のこと。
選択肢② ゾーン別発生量、集中量の推定
選択肢➀と違って、この問いはいきなり難しい。
ゾーンから出ていく交通量と、ゾーンに入ってくる交通量を推計することになる。
手法としては、「原単位法」を使うらしい。
人口一人当たりや建物床面積1m2当たりのトリップ数(原単位)を現況データから算出し、ゾーン別の将来人口や将来面積に乗じる方法。
データとしては国勢調査やPT調査を用いる。
選択肢の文によると、原単位法のほか、クロス分類法や重回帰モデル法が使われているそうだ。
選択肢③ 分布交通量の推定
各ゾーン間を移動する交通量を推計
どこからどこへ何人が行くのか?を把握する。
手法としては「現在パターン法」を使うらしい。
将来的に現在の分布パターンが大きく変わらない場合、分布パターンを保持しつつ、将来の伸びに対応することが可能。
交通条件が大きく変化する場合は使用不可。
データは国勢調査やPT調査である。
設問文から「現在パターン法」の一つにフレーター法というものがあるらしい。
選択肢④ 交通手段別分担交通量の推定
どの交通機関を使うのか。
手法としては、非集計ロジットモデルを使うらしい。
が、設問文によると集計ロジットモデルとなっている。
どちらも使うということ。
選択肢⑤ 配分交通量の推定
これは設問文のままとなる。
最適配分には、利用者最適(等時間配分)とシステム最適(総走行時間最小)がある。
最後に、これはウィキペディアを参考にした。
メリット
・考え方がシンプルでわかりやすい。
・最も普及した方式である
・ほとんどのプロセスでパーソントリップ調査のデータを利用できるため、大がかりな調査が不要。
デメリット
生成交通量などはカウントできるものではなく、統計的な手法に頼るため数値の誤差がある。
それぞれの段階において関連性のない仮定をおくため、プロセス間の整合性がない。(エラーがあっても回避できない。)
人々の行動の範囲すべてを対象地域とすることになるので、1つの路線の推定を行うにも広大な地域(都市圏)を対象とする必要がある。
が挙げられる。