続続・農業をメモる 田園住居地域編

コロナ禍により変わる世界。

そんなブログばかりになってしまう。

でも、今回の騒ぎでは大きく社会システムが変わることは間違いない。

 

その一つ。東京一極集中や皆が集まって騒ぐような賑わいにも、一定の歯止めがかかってくるのかな、と思っている。

グローバルからローカルへ。

一見、グローバルといえば世界に向けて広がっていくイメージ、そこからローカル、つまり収縮するようなイメージを表しているように見える。

けど、国内に限ってみれば、集中から分散、つまり東京に集まっていた流れから全国に放射状に広がる流れ。

こんな流れが生まれるような気がする。

よく聞く言葉で表現すれば、地方創生みたいなものが再認識されるのかなと。

この辺りは複雑になると思っていて、国家権力というのは強くなると思うし、プライバシーという点では国にある程度握られていく動きになるだろうとも思う。

なので情報は国へ集中する、というのは確かなんだろうけども、人の流れは分散に向かうと思う。

そして、それはDX(デジタルトランスフォーメーション)によって初めて可能になるだろう、ということである。

 

 

 

そこで、再々燃すると思う一つが、自給自足のような暮らし。

都会の喧騒の中、淀んだ空気と満員電車と残業とパワハラのストレスから離れ、水や空気が綺麗で、ある程度は自由な暮らしができると幻想を抱いた人々が、スローライフを目指して田舎に向かうのである。

かくゆうぼくも田舎暮らしがしたくてしたくてたまらない。

でも、家庭菜園一つしたことがないぼくに務まると思えない。

そもそも農家で生計をたてることは、きっと肉体的には今よりもきつくなると思っている。

一方で、国では都市にある農地を保全しようという動きがある。

これは食料自給率が低すぎる、という観点だけではなく、住まい方の視点からが大きいと思っている。

 

 

それが都市農業振興基本法というもの。

これまで都市の農地は宅地化すべきとしていた考えを180度転換。

都市の農地は守るべきものとした法律。

このあたりは2022年問題なども絡むのでしっかり勉強してメモっていきたい。

 

これからの新たなビジネスの一つにもなると思われる農家レストラン、自家製酒蔵を兼ね備えたバー、そんなことを可能とすべく動き出した国家戦略特区なんかが関わってくる。

そして、建設業に身を置くぼくとしては技術士の資格を10年かけて取るために、日々・・・ではなくたまに資格試験勉強をしているのだけど、先日、技術士の勉強をしているときの平成30年の過去問で、都市計画の地域地区の中の手法の一つとして用途地域がH29年、1種類増えて13種類になった、という問題があった。

増えた用途地域というのは、田園住居地域

ここも、大きな都市の農業に関する一大テーマかと思うので、先日の記事では深入りしなかったけど、今日は少し詳しくメモっていく。

 

 

簡単に用途地域をおさらいする。

 

 

都市計画法のなかでは、用途地域は、当初、住居系、商業系、工業系の3本からスタートしている。

そして、時代と共にどんどん増えていき、田園住居地域ができる直前は、住居系は低層で1種と2種、中高層で1種と2種、1種住居、2種住居、準住居と7種類あった。

ここに田園住居地域が追加されて8種類になったということ。

何と用途地域の追加は25年ぶりとのこと。

 

ちなみに、このほか商業系や工業系もあり、全部で13種類になっている。

 

 

さて、田園住居地域とは何か?

住宅と農地が混在し、両者が調和して良好な居住環境と営農環境を形成している地域。

と国交省のHPにあるけど、何のことやら。

実は、以前の記事で農業のことを勉強しながらメモっていたのだけど、途中で止めていた内容があった。

 

 

それが、2022年問題。

時は1992年、生産緑地法が改正された。

生産緑地というのは市街化区域の中の農地である。

これは先日のブログでメモった。市街化区域。

なので、市街化すべき地域であり、農地は必要とされていない。

そうはいっても少しくらい農地があった方が良いよね、でも農地では収益を上げられないので、固定資産税が払えません。

そういう人のために、30年間、農地として継続してくれるなら固定資産税を市街化区域以外の農地と同じだけ減免するよ、というのが発端。

でも、30年間のうち、農地を止めて宅地として売りたいという人や農家を続けられなくなってしまったという人もいる。

そんな人が30年後の2022年に、この年に農地継続の強制期間である30年が過ぎるので、一挙に農地が宅地として売りに出されるのではないか、というのが2022年問題。

土地価格の暴落を危惧した問題。

 

 

この対策としては、特定生産緑地制度、というものを作り、これまで同様の税制優遇措置を受けられる、ようにした。

そして、それは今後10年置きに更新するかどうかを判断できるようになった。

どうも、ネットとかを見るかぎり、特定生産緑地として農家を継続したい人たちが一定数いるようなので、そこまでの暴落は起きないかもしれない。

他にも対策をとっている。

それは生産緑地を他人に貸すことも容易にできるようにする法律を作ったこと。

ということは、これまでは自分の土地なのに農地の場合、簡単に貸すことができないように縛ってあった、ということ。

これは、おそらく、企業なのが農業に参入することにより、個人農家が一網打尽にされてしまうことを恐れた農協などが、族議員といわれる政治家に働きかけて、なんとか個人農家を守ってきた、ということだろう。

 

これはぼくの憶測。

そして、これの善悪は・・・ぼくは企業が参入するようすべきかと思う。

少し農家の人たちにとっては冷たい考え方かもしれない。

 

 

都市に住みながらも家庭菜園をしたい人たちは多い。

そんな人たちが利用するのが市民農園といわれるのもの。

よくは知らないが自治体が応募するとそれなりの倍率になると聞いたことがある。

今回、生産緑地を他人に貸すことが容易になっているので、生産緑地を市民農園に変える、ということも行われていくだろう。

そして自治体が関わるということは、そこに公の理屈があるはずである。

それが、記事の冒頭に書いた、都市の農地は必要なもの、とする国の発想が転換されたことと絡むと思っている。

そして、そのためのお膳立ての一つとして、田園住居地域なる用途地域が作られたのであろう。

ここでやっと、田園住居地域にたどりついた!

 

 

田園住居地域に指定されるとどうなるのか?

まず、用途地域なので市街化区域であること、つまりそれなりの住宅地。

そこに田園というイメージの地域にするために指定するわけで、農地が保全されるような対策が取られているはず。

調べてみると、第1種と2種の低層住居専用地域がベースになるらしい。

低層住居専用地域なので、商店はもちろんのこと高層マンションなども建てられない。

もっとも規制が強い(その分、スローライフのような暮らしができる)地域に、農家レストランなどが建てられるようになる、ということ。

正確には生産緑地に建物の設置が可能となったこと。

農家レストランとは、周辺で採れた野菜や果物などの食材で提供されるレストランのこと。

これは、国家戦略特区ともからむので、これはまたどこかでメモることにして、まずは田園住居地域では、農家レストランの出店が可能となる。

 

もう一つ、農地というものについて。

これは市街化区域の農地ではなく、市街化調整区域や都市計画区域外の農地、いわゆる、だだっぴろーい農地があるところは大抵、市街化区域外のはず。

そのような農地は自由に売買できなかったのである。

ただし、市街化区域にあるということは、土地の固定資産税が高い。

それも100倍以上高い

だから、とても農家ではやってられない。

なので、生産緑地という制度を設けて30年縛りを設けつつ、固定資産税は市街化区域にありながらも農地同様の格安プランを用意していた。

 

しかし、2022年問題で30年縛りが解けてしまう。

すると、生産緑地が売りに出される。

これはマズイ、なので特定生産緑地制度を設けたり、市民農園なんかに貸せるような貸借の円滑化を図ったりした。

そして、この田園住居地域をかけることで、この地域にある生産緑地は、土地の売買を許可制にして、自由には売買できないようにした、というのがもう一つの特徴。

まあ、その変わり、農家レストランも可能にしたし、行政側としては、せっかく都市に農地があるのですから、農家レストランなどでもやって、何とか農家を続けてください、というための都市計画、用途地域、ということになる。

 

 

最後にもう一つ。

これは田園住居地域とは違うけど、農地バンクというもの。

これは日本の農家が抱える問題、一つ一つの面積が小さく規模の利益が働かず、収益性が低い、ということ。

このため、農地中間管理機構というものが県の第三セクターとして設立されていて、農地を貸したい人や借りたい人をマッチングさせている。

これを農地中間管理事業といい、いわゆる農地バンクとよばれている。

これにより、細切れの農地を集約して貸すことで、大きな面積の農地を管理できる人を探そう、という取り組み。

ただし、あくまで農地の所有は地主のまま、なので地主が土地改良区の賦課金などを払っている。

そして、問題なのが、その賦課金よりも安価な契約料でしか契約できない、という現実があるらしい。

 

 

しかし、国もあの手この手で、都市の農地を守ろう、としているということは分かった。

けど、やはり付け焼刀の勉強では、自分の考えを持つには至らなかった。

また、どこかで気になったときに勉強していきた。

お粗末さまでした。

 

 

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