〈技術士 1次試験〉H30年度・11問目 コンクリート構造物の劣化

今日の技術士の勉強はコンクリート。

平成30年の1次試験の過去問、11問目のコンクリート構造物の劣化について。

問題文は「公益社団法人 日本技術士会」のHPで閲覧ができるようです。

「公益社団法人 日本技術士会」過去問(平成30年度 第1次試験)

 

ちなみに、すでにコンクリートの過去問は1問解いているので、そのブログのURLを貼っときます。

〈技術士 1次試験〉H30年度の10問目 コンクリートの基本的性質

 

 

 

選択肢➀ 凍害

 

選択肢を読むと、専門用語が出ているので、その解説からメモることにする。

コンクリートは砂、セメント、砂利ともう一つ、超重要な材料が必要。

そう、水。

水がなければセメントは水和反応をはじめないので、固結しない。

水とセメントの割合を水セメント比といって、その割合も原則65%以下に抑えなければいけない、それ以上に水をいれると、ワーカビリティは増すけど、強度が弱くなってしまう。

そんなことを前回の勉強で学んでいる(上のURL)

 

 

で、今回の問題は、そのコンクリート中の水分が凍結と融解、つまり凍ったり解けたりを繰り返すことが凍害の原因だよ、と言っている。

ちなみに、水分が凍結すると体積は9%膨張する。

 

 

スケーリング・・・これはコンクリートの表面がフレーク状(薄片状)に剥離してくること。

表面なので、セメントペースト部分の剥離。

これはコンクリート中の水分の膨張による。

 

ポップアウト・・・こちらは、コンクリート骨材の中には多孔質な骨材もあり、多孔質な骨材は水分を含んでいるので、多孔質内の水分が膨らみ、結果として骨材が膨らみ、コンクリート表面を剥離させる現象。

どちらもコンクリート表面の剥離だし、水分の凍結と融解が原因。

しかし、コンクリート中の水分が原因か、骨材中の水分が原因かという違いはある

違いも注意しておく。

 

 

 

選択肢② 中性化

 

一時期、作家の辻仁也氏が中性化してきた、との報道があったけど、関係ない(当然だけど)

これはph(ペーハー)のはなし。

その前に、鉄筋コンクリートがなぜ錆びないのか?という話。

鉄筋なんて外に置いておけば、すぐに錆びてボロボロになってしまう。

鉄は酸素ととても結びつきやすい。

では、何で鉄筋コンクリートは錆びないのか?

コンクリートで覆っているからでしょ?と言われそうだけど、確かにそうなんだけど、何でコンクリートで覆うと錆びないの?という疑問。

その答えは、コンクリート内はセメントから水酸化カルシウムが供給されるため、高アルカリ状態になるから、となる。

高アルカリ状態では、鉄筋のまわりに被膜ができて酸素から保護するから、というのが正解。

 

 

ただ、高アルカリ状態が中性化してしまうと、その保護膜は破壊されて鉄筋は錆びてしまう、ということ。

それでは、中性化がおこる原因をみてみる。

コンクリート内をアルカリ状態にしてくれていた、水酸化カルシウムCa(OH)が空気中の二酸化炭素CO2と反応することで生じる。

ちなみに、化学反応式は

CO2+Ca(OH)2→CaCO3+H2O

OHがなくなるので、つまり塩基性がなくなるのでアルカリ性を失う、とうわけ。

 

選択肢の文中には、セメント水和物と書かれているが、単にセメントが水と反応してできた物質のこと。

セメントペーストとほぼ同じ。

通常のコンクリートではphは12以上の高アルカリ状態

ちなみにphは7が中性となる。

選択肢の問いは、phを上昇させると書かれているけど、上昇させるということは、高高アルカリ状態になるだけ。

 

 

 

選択肢③ アルカリシリカ反応

 

これは、読んだまんま。

コンクリート中にあるアルカリ水溶液とシリカ鉱物が反応する現象。

コンクリートを作る際の骨材の中には、ケイ素を含むものがある。

これがシリカ鉱物

で、この鉱物はアルカリ性のものと反応するとゲル状の物質に変わってしまう

で、ゲル状の物質が水を吸着して膨張する。

すると、コンクリートにまで影響が出てくる。

それが異常膨張やひび割れとなる。

 

 

 

選択肢④ 床版の疲労

 

床版とは、橋梁の桁の上に載っている平板部のことで人や車が通るところ。

コンクリートでできた床版、特にRCでできた床版をスラブ、鋼でできた床版をデッキプレートという。

コンクリート床版の上を車が走行したら、輪荷重によってひび割れや陥没を生じることがある、ということ。

床版の上が舗装してあっても、やはり荷重の影響をもろに受けてしまう。

特に、トラックの大型化などにより、高度経済成長の時代に作った橋梁の場合、現代の超大型車両に対応できていない状態と思われる。

 

 

後、これはどこかでブログにしたいのだけど、過積載の問題。

過積載の取り締まりがなされないため、床版だけでなく、橋梁以外の舗装にもダメージが進んでいる、というはなし。

これは、社会資本整備の老朽化という社会課題に直結するので。

 

 

 

選択肢⑤ すりへり

 

流水、車輪の摩耗作用によって、コンクリート断面が時間とともにすりへる。

そのまま正解。

 

 

 

今日の問題はコンクリートの劣化についての問題だったけど、他にも塩害、アルカリ骨材反応など、主役になる選択肢がなかったので、いつかそれについてもブログで書いていきたい。

 

 

 

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