リニア工事は名古屋にとってマイナス?(鉄道)

リニア中央新幹線の建設工事が中断した、との報道があった。

もちろんコロナの影響。

 

 

 

JR東海がすすめる品川ー名古屋間の全長286Km。

これを工区ごとに分けて発注されているが、東京都、神奈川県はすでに中断。

長野、岐阜でも中断が発表。

愛知でも中断を予定との報道。

今のところ、JR東海は2027年の開業について断念した、との発表はない。

ただ、未だ、静岡県知事のご機嫌は治らず着工できず、と前途多難。

 

 

 

本日は、東京と名古屋がつながることによる意味をメモりたい。

こんな話題は出尽くされた感があるけど、ぼくなりの考えもメモっておきたい。

第一、識者によってバラバラだし。

 

 

まず、リニアとは違うけど、新幹線が整備された効果はどうだったんだろう。

実は、これは色々、真逆の意見があって、なかなか面白い。

今のリニアも、名古屋にとってリニアは絶好の機会だ、というのと

ストロー現象で名古屋は地盤沈下を起こす、というのと真逆の意見がある。

 

 

新幹線が通ったことにより、どんな効果があったのかは前にこのブログで書いたことがある。

https://mozimozigogo.com/30/blog-railroad/

 

まず、鉄道とはヒトの流れ、人流を決める最大の要因である、ということ。

物流においても、空港や港湾、道路があるけど、比較的、近距離の場合は、鉄道が有利だということ。

人流に至っては、鉄道の圧倒的勝利。

 

 

 

日本に初めて新幹線が通ったのは、東京オリンピックが開催される10日前。

東京ー新大阪間をこれまでの電車の2倍の速度である時速200Kmで走行した。

その後、北は函館、南は鹿児島までつながっている。

だからといって日本は北から南までつながっている、とはならない。

やっと、北陸新幹線が金沢までつながったけど、それまでは東京ー新潟で整備がとまっていた。

 

 

 

他にも、北日本といわれる地域はほとんど通っていないし、四国もまだ未開通である。

もちろん、国の計画としてはあるのだけど、予算の関係で進まない、ということになっている。

たしか、国交省のR2年度予算は新幹線については804臆円。

国交省のR2年度予算が6.7兆円なので、だいたい1%ちょっと、というところ。

 

 

 

さて、前回のブログでも、藤井聡氏の著作『インフライノベーション』(育鵬社)を読んだぼくの感想を書いた。

本書では、昔は金沢の人口規模は、横浜や神戸よりも多かった。

しかし、新幹線が通ってこなかったことにより、新幹線が通った都市と同じような発展を遂げることができなかった。

一方、昔は人口ランキングでは圏外だったような、新潟、福岡、岡山なんかは、政令指定都市になるまでの発展を遂げることができた。

このような差が生まれたのは、新幹線が整備されたかされていないかの違いだ、と書かれている。

 

 

 

世には、これと異なる論調もある。

一般的な考えとして、道路網が全国に広がったことで、東京までの距離が一挙に近づいて、これまでは、その都市の中で行われていた活動が東京にで行われるようになった。

この結果、これまで、各都市で発展してきた機能が東京に吸い取られた、つまりストロー現象が起こった、という論法。

まあ、これはこれで理解できなくはない。

もう少し、ぼくなりに深めて考えたい。

 

 

 

この2つの論法には、

新幹線と道路に違いがある。

まず、新幹線はヒトの流れ。

道路はヒトの流れもあるけど、物流もある。

経済発展したのが新幹線の効用というならば、経済発展には物流よりも人流の方が大事!ということ?

 

 

また、道路網が整うと、ストロー現象が起きた、という論調はどう考えれば良いのか?

物流網が整うということなので、地方で作られた製品が東京や大阪に運び込まれるから?

確かに、人が暮らすというのは大量の物資が必要となる。

食料品をとってみても、東京の人口の食料エネルギーを満たすため、日々どれだけの食料が地方から運び込まれているのか、想像もできない。

そして、それを支えているのが物流を支える道路網である。

 

 

 

ここまでをまとめると、経済発展に必要なのは物流をささえる道路網。

そう、全国に道路網を張り巡らしたことで、あの狭い面積にあれだけの人口が暮らせるエネルギーを送れるようになった、と考えられる。

東京から日本全国に向けて、物資を送るということは考えられない。逆である。

一方、整備新幹線の場合、東京に一瞬でテレポーテーションできるようになった。

それこそ、1日のうちで行って帰っても可能なほどに短い時間での移動を可能にしている。

これは、どちらかというと、東京一極集中を阻む方向の力のように見える。

つまり、東京に行くことも可能だけど、東京から地方に行くことも可能にしている。

 

 

 

と、いうことは、本日のまとめ。

リニア中央新幹線が整備されても、東京一極集中を加速するような働きにはならない。

つまり、ストロー現象のような地盤沈下は起こりくい。

が、今日時点のぼくのメモ。

 

 

 

起こりにくい、と断定できないのは、エンタメ系の部分。

確かに、これまで名古屋駅とかで遊んでいた若者が、東京の渋谷や新宿まで遊びに行くことは増えると思う。

その逆は少ない。

確実に名古屋はエンタメという点では吸い取られる。

ぼくだって、遊ぶ目的では名古屋には行かない。

逆に名古屋の若者はきっと東京に来るだろう。

でも、経済規模に占めるエンタメの規模、今はまだ少ないのではないか。

日本は海外よりも観光がGDPに占める規模は小さくて、5%を切っている。

ドイツの半分にも満たないそう。

 

アフターコロナでどこまでインバウンドが叫ばれるか分からない。

そうなれば、リニアはストロー現象を起こすのではなく、東京一極集中の緩和、地方創生への発展に向けて、好材料となるはずである。

今日の時点でのぼくの結論。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*

CAPTCHA