バイオマス発電

バイオマス発電について学ぶ。

まず燃料は、木質系、農業・水産系、食品系など生物由来の有機物をいう。

これらを燃料とした汽力発電、またはガス化発電となる。

汽力発電は蒸気タービンを回す、ガス化発電では燃料をガス化してガスエンジンやガスタービンで発電する。

 

これらの燃料は当然に炭素を含んでいるので燃やせば、CO2は排出されるものの、それらは原料が成長過程でCO2を吸収してきているので、トータルゼロと考えられる、という理屈。

脚光を浴びている??程ではないが、それでも話題に上るのは、もちろんのことカーボンニュートラルなエネルギーだから、ということもあるが、それ以外にも林業や運輸などの雇用を生むなど立地地域の経済活性化に寄与するものであることや石炭や原子力のような安定的なベースロード電源になるからである。

ベースロード電源、これが再エネでは難しい。これはメリット。

一方、ランニングコストに燃料調達という大きなものがのしかかる。

燃料調達、さらに燃料調達先の安定的な資源管理、再生までを見通す必要がある

これが大きい。

 

 

さて、法律はあるのか。

実は2009年にバイオマス活用推進基本法が制定されている。

2010年にはバイオマス活用推進基本計画が策定されている。

2012年にはFIT制度が創設され、太陽光だけでなくバイオマス発電も導入が拡大している。

燃やすので、なんか再エネっぽくないけど、FIT制度が使えるれっきとした再エネという位置づけである。

 

では、現状の発電規模を見てみる。

まず、政府のエネルギー基本計画では、現状2%程度のバイオマスを5%にまで拡大する目標値を立てている。

ちなみに、再エネ目標値の内訳は

太陽光16%

水力11%

風力5%

地熱1%

バイオマスの5%

トータルで38%となっている。

 

バイオマス発電の具体的な数値は530億kWhとなり、

53,000,000,000kWh = 53,000,000MWh = 53,000GWhとなるが、日本全体なので数字を出してもあまりピンとこない。

 

2020年9月時点で、計446カ所、244万kWのバイオマス発電所が稼働し、同じく709カ所822万kWが認定されている。

ちなみに、年間発電量は、出力244万kWの6500倍~10000倍くらいになる。

太陽光の場合、年間発電量は出力の1000倍くらいなのでバイオマス発電の方が効率は良い。

しかし、446カ所で244万kWということは、単純平均するとバイオマス発電1カ所あたり5,000kW = 5MWなる。

 

火力発電所が1基あたり50~100万kWなので、バイオマス発電の規模は、火力発電の100~200分の1という規模感。

そういう意味では、大手の電力会社が手を出すような施設ではなく、地域で地産地消を目指して導入するのが最適だと思われる。

 

発電規模で火力と比べると見劣りするものの、太陽光と比べてみれば、それほどでもない。

メガソーラー1基の設備容量は1,000kW = 1MW、年間発電量は1,000,000kWh = 1,000Mwh = 1GWh。

対して、バイオマス発電の場合、設備容量5,000kWhとすれば、年間発電量は

32,500,000kWh = 32,500MWh = 32.5GWhとなる。

つまり、平均的なバイオマス発電1基でメガソーラー35基分の発電量となる。

平均的な世帯数の電気量でいえば、4322kWh/年間とすると7500世帯分。

バイオマス発電が1基でそれだけの家庭の電気を賄えることになる。

 

 

では、バイオマス発電を設置するコストや用地はどれだけ必要なのだろうか。

まず、5000kWの出力の場合、23億円の建設コスト、小規模の1500kWでも10億円は必要となる。

その他、木質バイオマス発電所以外にも、木質チップ化ができる工場が必要となり、発電出力が5,700kWの木質バイオマス発電所なら木材が6万トン必要なので4億円、1,500kWタイプなら2万トン必要なので2億円の建設費が、木質チップを生産する工場に必要。

 

しめて、5000kW規模の場合、27億円が必要となる。

 

さて、太陽光発電でそれだけの発電量を賄うためのコスト比較をしてみる。

計算は簡単で年間32,500MWhの電力量を賄えるPV設置となると、32MWの出力規模のPVとなる。

1MWソーラーで約2.5億円とすると、80億円となる。

しかも夜間は発電しないから蓄電池を入れて、となると160億円ほどかかるだろう。

バイオマスは27億円で済むのだから、約1/6のコストでしかも安定的。

 

いや、違う。

燃料はバイオマスを購入しなければならない。

太陽光は無料の太陽光エネルギーが燃料になるから良いがバイオマスは毎年購入しなければならない。

それを考慮すると、バイオマス燃料コストは13,000円/t。

5,000kWのバイオマス発電の場合の必要量は60,000t

そうすると、780,000,000円/年間となる。

約8億円となると、電力会社に通常支払う電気料金と変わらないのではないか。

電気料金は、だいたい32,500,000kWh*25円=8億円

やはり、同じくらいになる。

 

もう少し詳細に比べてみよう。

バイオマス

設備容量(発電出力)5MW

発電量は32,500MWh

建設コストは27億円

燃料費8億円/年間

耐用年数15年として15年間で、147億円となる。

ここにはメンテナンス費は考慮していない。

また、燃料の乾燥度、設備利用率にも寄るのだろうが、まあ10億円/年間 という感じ。

これは、大手電力会社の電気料金が31円/kWhくらいまでなら、電力会社から購入した方が安い。

 

ちなみに、太陽光発電の場合

設備容量(発電出力)32.5MW

年間発電量 32,500MWh

建設コストは80億円、蓄電池をどれだけ入れるかで120~160億円といったところだろうか。

 

つまり、バイオマス発電では147億円、PVでも140億円ほど。

こうなると、ベースロード電源としての価値ならバイオマスだし、本当にクリーンな電力であることを考えるとPVに軍配があがる。

 

次に用地確保を見てみる。

太陽光32.5MWの用地は、50ha近い用地が必要となる。

そんな土地を確保できる場所は少ない。

 

バイオマス発電、5,000kW =5MWの場合、

敷地面積で10,000m2、つまり1haで良い。

必要な面積は太陽光と比べると1/50となる。

これは、とても大きい。

49haの差が生まれている。

つまり、

 

 

こうやってみると、それぞれの再エネにメリットデメリットがあって、一律に評価ができない。

そのため、地産地消として有利な環境にあるものを使うのが良いのだろう。

そういう意味では、太陽光はよっぽど日射量が少ない地域以外は適地となる。

一方、風力なら風による。

地熱なら温泉地など。

バイオマスになると、燃料が運送費をかけずに確保できるのか、にかかっている。

20tトラックが毎日20台、往復するだけの燃料が必要である。

(20t*360=72000t)

集材圏は50km圏内と言われている。

はたして50km圏内で燃料調達が可能かどうか、

また、特に太陽光のように一種類ではない。

また、木材にしても廃棄材のようなものがどれだけ確保できるのかにもよる。

太陽光もバイオマスもコスト的にはそんなに変わらない。

そうなると違いは、用地面積が50倍ほど違う。

燃料を確保できるかどうか、という違いもある。

 

 

 

後、記述しておくこととしては、系統連系は、今回の検討のような5000kWの場合、特別高圧になる。

ちなみに、2000kWを超えた段階で特別高圧になるのだが。

後は、燃料調達に日々、20tトラックが20台ほど通行するための道路が必要となる。

 

まあ、そのように比較が難しいから、各地で様々な再エネ発電が整備されているのだろう。

最後にエネルギー効率の比較

太陽光20%、

風力30%

水力80%

地熱10%

バイオマス20%

となる。

 

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