蓄電池について

今日は蓄電池について調べてみる。

再エネ施設は太陽光発電がメインの状況にある。

しかし、太陽光は昼間しか発電しないため、エネルギーマネジメントを考えると、どうしても蓄電池が必要となる。

しかし、その蓄電池は未だ高額で、再エネ施設のコストが跳ね上がる、ともいう。

そんな訳で、今回は蓄電池の現状を調べてみることにする。

 

まず、蓄電池といっても色々な種類がある。

大きな分類では、家庭用蓄電池と業務用蓄電池。

家庭用蓄電池とは、容量が1kWhから15kWhが主流

業務用蓄電池になると、容量が家庭用蓄電池より大きいものが一般的。

なので、容量は15kWh以上で、100kWhというものもあるそうだ。

それ以上になると、蓄電池を組み合わせて使うことになるのだろう。

ちなみに、テスラなどのEVに設置されている蓄電池は、80kWh。

かなりの大容量である。

一般に、蓄電池容量はkWh単価が10~15万円ほどなので、蓄電池だけで軽く1000万円超えると思うのだが・・・・実際は本体価格、700万円ほど。

これは、車載用と定置用の違いだろう。

それだけ、定置用の蓄電池に高品質、安全性が求められている、ということだろう。

 

 

 

容量の他、業務用蓄電池家庭用蓄電池の違いとしては

業務用蓄電池にはバックアップ電源として、停電になると瞬時に電源の切り替えを行い、PCなどのデータ消失を阻止するUPS(無停電電源装置)が備わっている。

また、性能も高い。いいかえると、充放電の繰り返し使用可能回数が多くなっている。

そのため、家庭用に比べて単位電力量当たりは高額になっている。

家庭用蓄電池は本体価格の相場が1kwhあたり14万円前後

産業用蓄電池の価格相場は1kwhあたり16万円前後と家庭用蓄電池よりも高価

ちなみに、この価格には工事費は入っていない。

工事費は産業用の方が高く、工事費まで入れると

家庭用蓄電池は、18.7万円/kWh

産業用蓄電池は、24.2万円/kWh

となる。

 

 

 

次に蓄電池の種類をみていく。

鉛蓄電池

蓄電池の中でも歴史があり、現在まで幅広い分野で使用。

主な使用用途は、自動車のバッテリーやフォークリフトなどの主電源

昔からある蓄電池で使用実績と信頼性も十分で安価。

デメリットとしては、エネルギー密度が小さいため充電容量をあげるためには、重量が増える。

また、電解液に硫酸を使用しているため、壊れた時には硫酸が流れ出る恐れがあります。

ただし、寿命は長く、17年程度

 

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池とは、ニカド電池から置き換わった蓄電池。

ニカド電池は、環境への悪影響からニッケル水素電池に置き換わった。

鉛蓄電池とは異なる点は、高出力、高容量、長寿命。

主にハイブリッド自動車に利用されている蓄電池。

鉛電池はエネルギー密度が小さいため、小型化がネックだった。

電気の放電が安定しているため、発火などの危険性が極めて少ない電池です。

デメリットとしては、充電した分をすべて使い切ってから充電しなければいけない。

放電時に周囲の金属や物質に影響を与えないため、過放電の心配が少ない。

ただ、寿命は短く、5年から7年と言われている

充放電も速く、数百kWhの容量を充電。

しかし、いまだ開発の途中、実用化まではしばらく時間がかかる。

 

リチウムイオン電池

多くの小型電機機器に使われているのが、このリチウムイオン電池。

スマートフォン、パソコン、小型ゲーム機など。

エネルギー密度が高い大容量の小型電池。

ニッケル水素電池では不可能だった、継ぎ足しの充電が可能。

デメリットは熱を持って爆発したという事件。

これは、蓄電池の中でもまだ不安定。

また、容量が大きいため高価。

さらに、寿命も10年程度

しかし、小型で大容量、継ぎ足し充電が可能というメリット。

近年では、電気自動車などにも応用されるようになってきています。

 

NAS電池

NAS電池は、負極にナトリウム(Na)、正極に硫黄(S)

両電極を隔てる電解質にファインセラミックスを用いて、 硫黄とナトリウムイオンの化学反応で充放電を繰り返す仕組み。

日本ガイシ株式会社が世界で始めて実用化に成功し、メガワット級の電力貯蔵設備を構築することが可能。

NAS電池とは、リチウムイオンと同程度のエネルギー密度を持ち、長寿命を実現した電池。

オフィスや工場などのバックアップ用電源として活用。

価格は、鉛蓄電池と同程度であり、蓄電池の半分以下の値段で購入。

また、寿命も他の電池に比べ圧倒的に長く15年以上安定。

しかし、硫黄を用いるため日々のメンテナンスが必要。

携帯電話やパソコンなどで使われないのは、その危険性があるため。

しかし、リチウムイオン電池とNAS電池を比較した時、性能面や費用面を考慮するとNAS電池が優秀。

大容量という特性を活かし、今後も幅広い場所で使われていく。

さらに、大きさも鉛蓄電池の三分の一ほど。

 

 

かなりマニアックに蓄電池について調べてみた。

ところで、実際、国において、どのように議論されているのかを確認する。

それが経済産業省に設置された「蓄電池産業戦略検討官民協議会」。

2022.8.31の最新の会議資料によると

今後、蓄電池市場は車載用、定置用ともに拡大する見通し。

当面は、EV市場の拡大に伴い、車載用蓄電池市場が急拡大。

足下では定置用は車載用の1/10程度の規模だが、2050年に向けて定置用蓄電池の市場も成長する見込み。

2019年の蓄電池市場は5兆円

これが2030年には40兆円

2050年には100兆円という試算

現状は、定置用蓄電池のシェアは、韓国35%、中国24%、日本5%と低迷している。

 

当面は液系リチウムイオン蓄電池が主流。

一方、次世代蓄電池として全固体リチウムイオン蓄電池が期待されている。

様々な見方があるが2020年代後半以降にEV市場で投入の可能性

✓ 可燃性の電解液による発火や、液漏れがなくなり、安全性が向上
✓ 同じ体積の液系LiBと全固体電池で比べると、航続距離が約2倍
✓ 大電流での急速充電が可能となり充電時間が短縮

国は、この全個体リチウムイオン蓄電池については2030年頃の本格運用を目指している。

 

 

政府としては、

国際競争力を持つ形で遅くとも2030年に150GWh/年の国内製造基盤を確立

そのため、官民連携による蓄電池・材料の国内製造基盤への投資強化

1,000億円基金(R3補正)による支援

遅くとも2030年までに150GWh/年の基盤確立を目指す。

国際競争力を持つためのDX、GXによる先端的な製造技術の確立・強化

我が国の強みである蓄電池の性能・安全性等を維持

課題であるコスト競争力を向上させるため、コスト分析も行いながら、先端的な製造プロセスの開発投資に対する支援の強化を図る。

 

【参考:目標価格】

・車載用蓄電池パック :2030年までのできるだけ早期に、1万円/kWh以下

・家庭用蓄電システム :2030年度に、7万円/kWh(工事費込み)

・業務・産業用蓄電システム :2030年度に、6万円/kWh(工事費込み)→エネルギー基本計画

 

政府は国内の需要喚起策も検討している。

○ 電動車の普及促進

2035年までに、乗用車新車販売で電動車100%を実現するため、電気自動車等の購入支援や充電インフラの整備支援を積極的に行う。

○ 定置用蓄電システムの普及促進

定置用蓄電システムの導入支援や導入見通しの策定を行う

FIT・FIP制度における発電側併設蓄電池設置に関する制度的見直しを含めて、蓄電池導入が促される環境整備を引き続き検討する。

○ 蓄電システムの安全性やセキュリティのさらなる確保に向けた対応

電力系統に接続する定置用蓄電システム(特に系統用)については、今後、電力インフラの一部を構成することを踏まえ、関係団体とも連携しつつ、蓄電システムの安全性や電力インフラとして求められるセキュリティのさらなる確保を図っていく。

 

としている。

 

 

では、蓄電池が実際にどのように設置されているのか、全国の事例を見てみる。

 

 

○日本ガイシと岐阜大学

地域新電力会社の恵那電力(岐阜県恵那市)が設置した太陽光発電所と電力貯蔵用NAS電池を核とした電力システム

地域に提供する経済的・社会的価値を可視化する共同研究を進めている。

恵那電力が所有する10カ所・合計出力1.5MWの太陽光発電所と、出力200kW・容量1200kWhのコンテナ型NAS電池1台を接続し、電力の安定供給やBCP(事業継続計画)の観点での防災用として活用する。

 

 

ネクステムズ(沖縄県浦添市)、沖縄電力、宮古島未来エネルギー(沖縄県宮古島市)

沖縄県宮古島市、ネクステムズ(沖縄県浦添市)、沖縄電力、宮古島未来エネルギー(沖縄県宮古島市)で構成される来間島地域マイクログリッド構築事業コンソーシアム

沖縄県の来間島において地域マイクログリッド(MG)の構築に取り組んでいる。

来間島の送配電網は、隣接する宮古島の電力系統とつながっているが、5月25日、宮古島・電力系統から切り離し、MGのみで電力を供給する。

同事業は、既設の合計380kWの住宅用太陽光発電に加えて、新たに合計242kW分の太陽光発電および合計325kWh分の蓄電池を設置

具体的には、34戸の住宅にそれぞれ5.5kWの太陽光と5.6kWhの蓄電池、

10件の店舗・団地にそれぞれ5.5kWの太陽光と13.5kWh蓄電池となる。

 

 

サーラコーポレーションの連結子会社であるサーラエナジー(愛知県豊橋市)

愛知県豊橋市の市有施設への再生可能エネルギー等導入事業を同市と協定締結。

同市が所有する地区市民館などの避難所施設を中心とした15施設に、オンサイトPPA(電力購入契約)モデルによる太陽光発電設備および蓄電池設備を設置。

太陽光発電の出力は合計150kW、蓄電池の容量は合計190kWh

施設全体で約4割のCO2排出量の削減

停電など非常時には、防災用電源としても活用。

サーラエナジーが設備所有者となって、エネルギー管理システムによる運用、保守管理を一貫して実施する。

2022年度中に設備を設置し、運用開始から17年間の維持・管理する。

事業期間が終了した後は、設備を同市に無償で譲渡する。

発電設備は長州産業製を採用する。

電力不足分は、サーラエナジー子会社のサーラeエナジーを通じて、サーラeパワーが運営する東三河バイオマス発電所の電力を供給。

 

 

まだまだ、事例はあるが、キリがないので今回はこれくらいにするが、

こうしてみてみると、発電出力に相当するくらいの蓄電池容量を確保しているところが多い。

(正確な表現にすると、発電出力に対し3時間/日くらいとみると、蓄電池容量は1/3くらいとなる。)

太陽光発電設置コスト 20万/kW

蓄電池設置コスト   20万/kWh(家庭用18万~産業用24万)

そうなると、蓄電池とセットにすると、投資額は約2倍になる。

 

 

さて、今回は蓄電池に特化して、ブログを書いてみた。

まだまだ、奥が深いとの印象を持っている。

 

 

 

 

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