スマートグリッドをメモしてみる

スマートグリッドという言葉はよく聞く。

ところが、何かと言われると説明が難しい。

直訳すると「賢い電力網」ということ。

まあ、これでも良いのかもしれない。

この他には、「賢い電力システム」でも良い。

いずれにしても、網とかシステムとか、何となく電力の仕組みそのものを指している言葉と思われる。

 

スマートグリッド以前はどうか。

上流に大規模発電所があり、下流に我々需要家がいた。

つまり集中型発電で、そこから一方向に電気が流れていた。これを潮流というらしいが。

ところが、近年は太陽光発電のような分散型の小規模発電所がいたるところに生まれ、逆潮流というのか、流れが双方向となる例も増えている。

そうなると、太陽光発電設備から送電線に流れ込んでくることが想定される。

そうなれば、発電所への投資抑制となり、一般送配電事業者には、双方向の潮流をコントロールするための設備投資が必要となる。

新たなビジネスチャンスとなるわけだ。

しかし、従来の大手電力会社はどんな気持ちになるだろうか。

 

大手電力会社とは、今では旧一般電気事業者という(2016年以前は旧がない状態)

これからは、いたる所で発電されたら、自らの食い扶持を取られるようなもの。

いい気はしないのではないか。

また、送配線の拡充も求められることになる。

これまでは、自分たちが整備する発電所の規模や送配電線の容量とを調整しながら運営できたのに、そこら中の小規模分散発電への対応が求められるようになるかもしれない。

今は、電線の空き容量がない!と断っていられるのもいつまで続くのか。

政府は、コネクト&マネージという系統利用ルールの改革を検討している。

・想定潮流の合理化・・・すべての電源がフル稼働前提で空き容量を決めるのは止め、実態を反映して空き容量を決める

・N-1規制・・・緊急用の空き容量を、緊急時は遮断する条件で貸し出す、というもの

・ノンファーム型接続・・・送電線の混雑時は、発電出力の制御する条件で貸し出す、というもの。

つまり、これまで100%の安全、100の%の安心というかゼロリスクを求めてきたものを、実態に合わせよう、というもの。

発電所で作った電気は余っている時は売れず、不足している時は安定供給を求められる。

また、小規模分散型発電所のための送配電線の対応は求められる。

やはり、スマートグリッドは大手電力会社にとってはマイナスではないかな。

 

 

 

大手電力会社にとっての負担は、ピーク電源への投資だそうだ。

発電事業者はどんどん生まれているが、やはり責任を負うのは旧大手電力会社だろう。

 

1年のうち、わずかな日数へ対応するために、大規模な火力発電所を維持していかなければならない。

同時同量の原則があるので、ピーク時は揚水力発電や石油火力発電などで急場をしのぐのだろう。

 

 

しかし、スマートグリッドは旧大手電力会社にとって悪いことばかりではない。

スマートグリッドでは、需要家側に働きかけてピークを抑える「デマンドレスポンス」が実施できるようになる。

さて、このデマンドレスポンスとは何か?

簡単にいうと、電力の需要に合わせて発電するのではなく、発電量に合わせて需要を調整するもの。

 

例えば、

オフィスの中の二酸化炭素濃度はビル管理法という法律で基準値が定められている。

そのため外気を取り込む必要があるが、日中にあがってくる濃度を始業開始前に下げておく。

始業開始前に空調を運転させて、外気を十分に取り込んでおくことで、日中の電力ピーク時に外気を取り込む空調を回さないで済むようにしておく。

実は、これはもうBEMSの領域。

スマートグリッドというのは、電力網なので、一番広い概念。

その中に、DR(デマンドレスポンス)があって、それは、BEMSによって成り立つもの。

DRとBEMSは、切り口が違うので、集合でどちらが大きい、小さいを表現できない。

DRは、ほかにも、需要家の契約電力を超えないように、需要家にピークを知らせ、電気機器を制御する、というものもある。

 

なぜ、こんなことができるかと言えば、スマートメーターのおかげである。

昔は、玄関先にグルグル回っているアナログ式の電力量計が付いていた。

これが通信機能を持ったマイコンにより測定するスマートメーターに変わったことで、データの見える化が可能となったのである。

 

このように、スマートグリッドが進めば、電力の供給側も需要側も双方にとってメリットは大きいのだ。

 

しかし、それでもスマートグリッドは旧一般電気事業者にとっては、決して望むべき姿ではないだろう、というもの。

それは、電力需給のひっ迫。

東日本大震災以降の原発停止、頼みの綱の火力発電はLNG価格の急騰、品不足。

電力会社の使命として、電力の安定供給がある。

しかし、現在、急ピッチで整備が進んでいる太陽光発電は安定供給とは真逆の電力となる。

そのため、送配電線が負担を強いられ、自らの発電設備は余計な需給調整が必要となる。

スマートグリッドの話をしているつもりが、小売り電力全面自由化の話も入ってきていて、論点が定まらないが、まあいいや。

それだけ、電力システムはロシアのウクライナ侵略問題から、規制緩和、カーボンニュートラルなど多くの問題を包括して進んでいる。

 

 

少し旧電力会社目線でスマートグリッドを見てみたが、それでも、これからの電力システムの未来はスマートグリッドへと向かうしかない。

電力システムを取り巻く環境を見ると

・エネルギー価格高騰

・カーボンニュートラルへの世界からの要請

・集中型エネルギー供給から分散型エネルギーへシフト

・DX

このような状況はスマートグリッドしか解決できない。

旧大手電力会社が望もうと望むまいと、電力システム改革は進むだろう。

 

今回は雑記になってしまった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

*

CAPTCHA