〈技術士 1次試験〉H30年度・17問目 ベルヌーイの定理

今日は技術士の勉強。

平成30年の建設部門の過去問、17問目、ベルヌーイの定理。

問題文は「公益社団法人 日本技術士会」のHPで閲覧ができるようです。

「公益社団法人 日本技術士会」過去問(平成30年度 第1次試験)

 

さて、いきなり単一管路の定常流れとの記述あり。

単一管路とは、具体例で書くと、下水管とか水道管とかガス管など。

 

次に定常流れ。これは定常非定常があって、比較してメモっておく。

その前に、今日勉強する項目は、流体力学の範囲。

流体というのは、液体、気体と思えばよい。流体に対する語句として固体がある。

建設部門では河川になるので、液体を扱うと思えばよい。

 

 

さて、定常流と非定常。

定常流というのは、流れの様子が一定で時間が経っても変化しないもの

または、時間的変化がゆっくりなので、定常流として扱うもの、などがある。

非定常流というのは、定常流とは逆で、流れの様子が時間とともに変化していくもの

ここも具体例であげると、晴天時にゆっくりと流れている河川の流れは定常流、大雨のときのように洪水が発生しているときの流れは非定常流。

17問目の問いは、全体を通して、水道管を一定の水が流れている状況下での問題と思えば良い。

 

別の解説も載せておく。

定常流・・・

時間的に流れが変化しない。ゆっくり流れる川は時間が経っても流れは同じ。

非定常流・・・

不定流ともいい、時間的に流れが変化する大きな魚が泳いで流れが変われば、定流から不定流に変わるし、上流で水門が開いたり、支川から急に流れ込んできたりしたときの流れも不定流となる。

時間的変化 空間的変化
定常流 なし 等流(定流) なし
不等流 あり
非定常流(=不定流) あり

 

流れの変化といってる時の「流れ」とは、流量、流速、水深などを指す。

定常流は、時間的には流量、流速は変化しない。

非定常流は、時間的、空間的に流量、流速、水深が変化する。

 

 

 

 

選択肢➀ 断面積と速度水頭

 

これは、定常流なので、外部から水が流入してくることはない

これは連続の式が成り立つ状況。

なので、単位時間あたりの流量Qは一定のはず。

これは質量保存則。ただ、流体なので単位時間あたりで考える。

Q(流量)=A(断面積)×V(速度)

 

速度水頭というのは、速度エネルギーと同じ。

固体の場合、運動エネルギーは、½ × mv²で表せたように、速度エネルギーも=½ × v²/g=v/2gで表せる。

今回、数式で書いたけど、あまり意識しなくてもよく、この選択肢の問いは、流量が一定のとき(定常流だから)、断面積が大きくなると、速度エネルギーは減るか?と聞いている。

式で考えても、Qが一定でAが大きくなればVは減る。速度水頭はVに比例するから、当然減る。

これを、現場でイメージすると・・・

川幅の大きいところでは流れがゆっくりな河川も、途中で川幅の狭くなっている所では、急に流れが速くなっている光景を見たことがある、と思う。

 

 

選択肢② 断面積と流量

 

これは選択肢➀と同じ。

定常流は流量が一定。なので、もちろん、断面積が小さくなっても流量は変わらない。

ただ、速度は速くなっている。

なので、速度水頭は上がっている。

 

 

選択肢③ ベルヌーイの定理

 

ベルヌーイの定理、これはエネルギー保存則の流体版のこと。

エネルギー保存則 : ½mv²(運動エネルギー)+mgh(位置エネルギー)=一定

数式にすると、固体のエネルギー保存則に圧力水頭が加わった形。

ベルヌーイの定理 : v²/2g(速度水頭)+h(位置水頭)+p/ρg(圧力水頭)=一定

これはエネルギー保存則の式の両辺をmgで割るという修正をかけている。

 

 

そして、この問いは、圧力水頭がゼロになると、速度もゼロになる、というもの。

数式を見るかぎり、ゼロにはならない。

それどころか、圧力水頭がゼロになれば、そのエネルギーが速度水頭か位置水頭に変わるので、速度、つまり流れは速くなる可能性が高い。

よく、水道管が破裂して、地上にジャーと噴き出しているニュースを見ると思うけど、あれば圧力水頭がゼロになって、速度に置き換わっている状態だと思う。

 

 

 

選択肢④ ピエゾ水頭

 

これは純然たる語句の問題。

ピエゾ水頭とは、位置水頭と圧力水頭の和をいう。そのままの問題。

 

 

 

選択肢⑤ ピエゾ水頭と前水頭と管路の傾き

 

少し、ベルヌーイの定理の補足。

エネルギー保存則と同じと言いながら、なぜ、水頭とかいう変な語尾なのか。エネルギーじゃないの?

実は、これは高さを表している。

だから、固体のエネルギーは単位がJ(ジュール)だけど、流体の水頭はm(メートル)で表す

もう一度、ベルヌーイの定理を書くと

ベルヌーイの定理 : 全水頭=v²/2g(速度水頭)+h(位置水頭)+p/ρg(圧力水頭)=一定

ここに、傾きの要素は入っていない。

定常流ということは、そんなに急こう配ではない。直角に落とすような流れは、定常流ではない。

定常流のとき、A地点とB地点の全水頭は一定である。

河川をイメージしてみると(この場合、圧力はゼロ。開水路は圧力は解放されるのでゼロ)

勾配があって流れ(速度)が速くなっても、その分、位置が下がって一定が保たれる。

だから、勾配は関係ない、ということ。

 

 

今回の問題は比較的、日常の河川や水道管なんかをイメージするだけで解ける問題だった。楽勝楽勝。

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