前田建設工業のTOB

今、百田尚樹の「海賊とよばれた男」を読んでいる。上巻が終わったところ。色々と考えさせられることがあったので、メモしておこう。

 

 

主人公は国岡鐵造という、出光興産の創業者をモチーフとした作品。

この国岡鐵造が作った国岡商店(出光興産)は変わった会社である。出勤簿がない、定年もない、馘首もなければ、労働組合もない。

という会社だったそうな。当時は上場もしていなかった。

創業者の国岡鐵造は「会社は株主のモノ」ではなく、「会社は家族で社員は家族の一員」と考えていたからというのが理由らしい。

 

 

一方、つい先日、ジムでジョギングをしながら中田敦彦のYouTube大学を聞いていた。

最近アップされたばかりの動画で村上ファンドで有名になった村上氏の書籍の紹介をしていたのだが、その動画では「会社は株主のモノである」という内容。

市場の原理を深く考えると理屈から導き出される、その答えは、とても真っ当だと感じながら聞いていた。

何といっても、会社を存続できるよう資金を払っているのが株主なのだから。会社法もそうなっている。

 

 

 

この会社は誰のものか論争。

 

しかし、「海賊とよばれた男」を読んでいて、株主が経営についての決定権を持つってのは、やはり間違っているのでは、と思い直している。

株主は、経営陣や従業員が考え抜いた経営方針に賛同するなら資金を出せば良いのである。

経営方針が違うなら資金を引け揚げれば良いのであって、株主の考えと違うからといって、経営陣をコントロールするところまでいくのは、日本人の感覚に合わないとぼくは思う。

 

極端な例で例えると

創業者が多くのリスクを乗り越え、地獄を経験し血と汗の結晶のような会社をある日、大量の資金で株式を買い占めることができるというのなら、従業員もろとも自由にできる、というのなら、それは酷すぎるじゃないか、と感じるから。

会社法でそうなっています、と言われても、それなら法律が倫理に合ってないんだね、という話し。

 

 

 

そんなとき、前田建設工業と前田道路のTOB(株式公開買い付け)問題を思い出した。

誤解されないよう、結論から書くと、どちらに理があるかは分からない、というのがぼくの現時点での考え。

 

 

簡単に説明すると

前田建設工業が前田道路の株式を51%持つことで、過半数の株式取得により子会社化する、というニュースである。

子会社化される前田道路は当然、反発する。

それは前田建設工業に経営権を取られるようなものだから。

 

 

 

前田建設工業にも当然、理由がある。

現在はIotだのAIだの、デジタル化の波が押し寄せている。

自動車会社も将来はトヨタやVWではなくGoogleやAmazonが作るとも言われているように、何が起こるかわからない100年に一度の変革期である。

建設業界にも土木や建築とは関係のないスタートアップが参入し始めている。

今後は異業種も含めたM&Aが活発になることは想像に難くない。

時代の変革に対応していくため、より強固な経営基盤を築くため、両者の技術力、購買力、顧客資産を共有しなければ、お互いに生き残れない、と考えているのだ。

 

 

 

事実、前田建設工業は脱請負を掲げ、愛知県で日本初の道路事業のコンセッションや国際展示場のコンセッションなどを始めており、新たな分野に進出している。

 

しかし、前田道路は前田建設工業との協力体制にシナジー効果はない、と言い切っている。

そもそも、前田建設工業と前田道路では経営スタイルが違い過ぎるとのこと。

確かに、前田道路は道路専門会社のなので請け負い金額が100万円のような小規模な工事も請け負うが、前田建設は準大手ゼネコンの安定した地位を築いている。

 

 

メモ

売上高 、営業利益、従業員、労働組合

前田建設工業・・・4900臆円、360億円、4200人、なし

前田道路・・・・・2200億円、170億円、2200人、あり

 

こんな感じ。

 

 

前田道路には労働組合があるが前田建設には労働組合はない。労働組合とは何だろう。

そういえば、国岡商店は従業員は家族として労働組合もなかった。

また、労働組合についても調べて書きたい。

 

いずれにしても、令和2年3月に前田建設工業によるTOBは成功している。つまり子会社化が成立したということ。

 

 

 

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