今日は技術士1次試験のR元年の問題。
19問目のピトー管の問題を解いていくことにする。
過去問は下記のHPから取得できる。
「公益社団法人 日本技術士会」過去問 第一次試験 令和元年度 建設部門
今一度、ベルヌーイの定理を確認しておく。
ベルヌーイの定理というのは、全水頭は1本の流線上では一定というもの。
全水頭とは速度水頭、位置水頭、圧力水頭の和。
速度水頭とは V=√2gH この式からH=v2/2g
位置水頭とは H=Z
圧力水頭とは P=ρgH この式からH=P/ρg
つまり、ベルヌーイの定理は
v2/2g + Z + P/ρg = 一定
となる。
ちなみに、ベルヌーイの定理が成立する条件は
・ 1本の流線であること。つまり、途中で管がつながって流量が変わったりしないこと。
・ 定常流れであること。つまり、流れの様子(水圧、流速、密度)が一定であること。断面積や勾配が変わることで流速が変わるのはOK。
・ エネルギー損失が無視できること。つまり非粘性流体であること。粘性があるとそこで摩擦が生じてエネルギー損失が発生する。
次にピトー管について。
原理は、ストローを水の流れに沿って水中に入れると、ストローの中を水が流れる。
このストローをL字に曲がったやつに変えた場合(シュノーケルを想像)、ストロー内の水面は周りの水面よりも高くなる。
この水頭から流速を求めることができる。
だから、ピトー管とは流速を求めるための機械。
もう少し原理を詳しくする。
実際によく使われる装置は、二重管になっている。
中側の管は上記のL字のストロー。
外側の管は流速が入り込まないように、流速の影響を受けないところに穴を開けておく。
ただし、水深はストローの穴の位置と同じ深さにしておく。
そうすることで、外側の管にも、穴から自然に水が入り込み、水面が生まれるから。
このとき、中側の管と外側の管の穴の部分にベルヌーイの定理を適用する。
全水頭の和は一定というベルヌーイの定理から流速を求める、というもの。
まず、中側の管の穴での全水頭
流速は実は0となる。
もうストローの中に水が満たされて、その結果、水面が上がっている。
もう水で満たされているので、入り込めないけど、その分、水面が高くなっているということ。
つまり流速が水面を押し上げるエネルギーに変わっている。
一方、外側の管はその穴の場所では流速が発生している。
次に位置は中側も外側もどちらの管も同じ深さに穴を開けているので、位置水頭は同じ。
水面から穴までの長さ(深さ?)を 中側を ha 、外側を hb とする。
水圧を Pa とすると、Pa =ρ・g・ha 、 Pb = ρ・g・hb
ベルヌーイの定理を作ってみる。
02/2g + 位置水頭は同じ + Pa /ρg = v2/2g + 位置水頭は同じ + Pb/ρg
この式を整理すると
Pa /ρg - Pb/ρg = v2/2g
よって
ha ー hb = v2/2g
V = √2g(haーhb)
このとき、haは、総圧という。
実は、この中側の管を総圧管という。
一方、hbは静圧という。
外側の管を静圧管という。
静圧とは、圧力水頭と位置水頭を足したもの。
ピエゾ水頭ともいう。
総圧とは、圧力水頭と位置水頭と速度水頭を足したものになる。
だから、解釈としては、静圧は速度水頭が実際の流速として計上されているので水頭としては現れてこない、と解釈することにした。
間違っているかもしれないけど。
では設問をみる。
選択肢➀ 総圧管と静圧管
ピトー管とは総圧管と静圧管を組合わせて流速を測る装置。正解。
選択肢② よどみ点
よどみ点とは、中側の管は水が入り込み管の中が水で満たされた状態。
だから、水面が周りよりも上がっている。
その管の直前では水が入れないので流速はゼロとなる。
この点をよどみ点という。
選択肢では、先端に丸みのある物体を置くととある。
これは中側の管の場合、水が満たされると結果的に丸みのある物体のようになることを指していると思う。
違うかもしれないが、あまり自信はない。
選択肢③ よどみ点
よどみ点に穴を開ければ、その点の圧力を測ることができる。
この場合、速度水頭や位置水頭、圧力水頭が測定できるので総圧が測定できることになる。
選択肢④ 側壁上の穴の圧力
いわゆる外側の管のことで静圧を測定することができる。
静圧なので位置水頭と圧力水頭になる。
Z + P/ρg
選択肢は速度水頭になっているので間違いとなる。
選択肢⑤ 測定点の流速
中側と外側の管の水面の高さの差から流速が求めれる。
やはり水理学と土質力学とか構造力学は自信がない。
この3科目で9問くらい出題される。
全体が35問で25問を選択して50%の正答率で1次合格となる。
ということは、この3科目を全て捨てても可能?
もう少し、勉強は続けてはみるが・・・