技術士1次試験に関しては、「専門分野」の過去問を平成30年と令和元年の2年分を終えた。
2次試験に関しても、骨子を作ることで少しずつ勉強している。
しかし「基礎・適正分野」は全くの手つかず。
そんなに難しくないとは聞いているけど、そろそろ勉強しておこう。
来年になって業務内容がガラッと変わると、そうそう自宅勉強ができなくなるかもしれない。
部署が移動するかどうかは人事のみぞ知る。
新しい部署に配属された場合、技術士の勉強、復習程度は出来ても、ゼロから始める分野があると厳しい。
本業の仕事内容によっては、新たな分野の受験勉強に取り組む気力を奪われている可能性もある。
という訳で、今日から少しづつ「基礎適正」分野の勉強も始める。
今日は、平成30年のⅠ-4-4 金属の変形・破壊について。
基礎適正分野は、高校で習うような数学や物理も含まれれているけど、数式が多い問題はこのブログでは載せない。
基本的に、このブログは、自分がメモすることで記憶の定着力をはかるためと、スマホ一つでどこでも隙間時間に復習ができるようにアップしているもの。
なので、数式の多い問題は記憶するようなものでもないし、紙とペンで計算しなければいけないので、ブログに書く意味合いが薄いので載せない。
過去問はこちら↓
では、始めよう。
材料化学という感じ。
高校の化学の知識も必要かもしれない。
調べながらメモっていく。
(A) 金属の塑性とは、
針金のようなものは曲がるとその形を維持する。
逆にゴム版のようなものは元に戻る。元に戻る性質を弾性という。
だから、弾性と塑性とは相反する言葉。
その前に、針金はなぜ曲がるのか?
曲がっているときに、どのような現象が起きているのかを知らないと解けない。
まず、針金を軽く曲げても、元に戻るけど、強く曲げてしまうと、もう元には戻らない。
実は、金属の性質は、結合の強さと結晶構造に起因している。
一般的には、共有結合やイオン結合や金属結合や分子間力によって結合している、と考えられている。
〇 共有結合( covalent bond )とは、
原子同士が電子を共有しあうことで生じる化学結合である。
〇 イオン結合( electrovalent bond )とは、
正の電荷を持った原子又は分子(陽イオン)と負の電荷を持った原子又は分子(陰イオン)とが静電気力(クーロン力)によってできる結合をいう。
〇 金属結合( metallic bond )とは、
いくつかの電子を出した陽イオン(正電荷を持つ金属の原子核)と自由電子(全体に広がる負電荷)とによる結合。
金属の性質は金属結合によるところが大きい。
さて、塑性については、金属材料の自由電子が存在することによって発生する。
自由電子が原子の移動を容易にさせている。
また、移動後も自由電子と陽イオンの結合が切れない程度の曲げの場合、元にもどる。
つまり塑性変形。
(B) 金属の降伏応力とは、
応力ーひずみ曲線を考えると分かりやすい。
引っ張り力を与えていくと、金属材料にひずみが発生しはじめる(X軸)
最初はひずみに比例して応力は増えていく。
やがて、比例状態から離れ弾性限度を迎える。
これ以上引っ張っても比例状態で応力が増えることはない。
応力の増加はゆるやかになって、弾性限度を迎える。
弾性限度を超えてから引っ張り力を止めても、もう完全に元の状態には戻らない。
でも一応、ある程度、戻ることは戻る。
やがて、上降伏点を迎える。
ここまでくると、引っ張り力を加え続けても応力は減少していく。
さらに、引っ張り続けると、どこかで最後の抵抗をみせ、最大引っ張り強さまで応力は上昇する。
その後、引っ張り続けると、応力は緩やかに下降して、やがて金属はブチ切れる。
やっと降伏点の説明が終わり。
この降伏応力の強さは、金属の結晶粒径が小さいほど、大きくなる、ということらしい。
まあ、感覚的にそんな気はするけど。
(C) 金属の格子欠陥とは、
その前に結晶というと、一般的には雪の結晶のようにキラキラと壊れそうなものを想像するけど、ここでいう結晶はそうではない。
自由電子が、金属の陽イオンの間を飛び回ることでできる結合を金属結合ということ。
そして、金属結合でできている固体の物質のことを金属結晶ということ。
つまり、普通に想像している金属はもうすでに結晶となって、ぼくらの目にとまるということ。
その上で、結晶は原子の規則配列による立体的結晶格子で構成されている。
その規則性がときに乱れた部分を格子欠陥。
金属結晶に多くみられ、点欠陥、欠陥、画欠陥に大別される。
設問文は格子欠陥が増加すると、加工軟化する、といっている。
さて、格子欠陥が増加するとは、原子の配列が乱される、ということ。
当然、安定して配列しているものが乱されるのだから、弱くなる。
つまり結合が弱くなる。つまり軟化する。
(D) 疲労破壊とは、
比較的小さい応力でも繰返し受けることで、材料に小さな割れが発生し、それが少しずつ進行して、最終的には破壊にいたる現象、のこと。
通常、金属を引っ張り続けるとぶち切れる。
そのときの挙動は(B)で書いた。
比例から弾性限度を迎え、上降伏点、下降伏点をこえ、最後の粘りを見せ始め、引っ張り最大応力を迎え、やがて応力は減り続け、やがて切れる。
しかし、金属疲労の場合、大きな変形は起きずに小さな割れが起こるだけ。
そのため、疲労の発生確認と破壊までの予想時間が困難。
金属材料は自動車や航空機、建築物などに使用。
これらはほとんど常に応力がかかる状態であるため、金属疲労が起こる。
実際の金属材料の不具合や事故の多くはこの金属疲労が原因、らしい。
そのメカニズムまでは問われていないので、今回はこのくらいにしておく。
ふぅー、時間がかかった。
簡単と思ったのに、一つ一つ調べていくと時間がかかる。
最初の2年分くらいは全ての問題でこんな感じかもしれない。
結構、大変かもしれない。
毎週、土日に数問ずつ問いていこう。