気候変動のニュースが多い。
6月30日にも、防災担当相と環境相が共同会見を行った。
内容は、「気候変動×防災」をあらゆる政策で主流化する。というもの。
気候変動を踏まえた基準や計画を作り、それに基づいたインフラ整備を行う。
また、土地利用のコントロールやグリーンインフラの活用により、災害をいなして、早期に復興する「適応復興」をという概念を提唱した。
適応復興とは、これまでの原形復旧ではない。
これはよく災害復旧工事などでは国の補助は原形復旧部分について、などといわれるものだけど、原形復旧ありきでは、立地適正化計画などによる土地利用コントロールはできない。
また、グリーンインフラという新しい整備手法を使おうとした場合、原形復旧では対応できない。
そのための適応復興という概念の提唱かと思う。
それはその通り、とぼくも思う。
ただ、注文を付けるとすると、この提唱は、防災担当相と環境相ではなく、防災担当相と国交相で共同会見をしてほしかった。
なぜなら、災害復興においてインフラを再整備するのは国交省だから。
国交省が災害復旧工事の基準類を変えないことには、いくら防災担当省と環境省が声をあげても、インフラ整備は何も変わらない。
まあ、気候変動×防災なので、環境省が出てきたんだろう。
実際、気候変動を頭につけておけば対応すべし、という空気感が世間にはある。
とにかく、新聞を読んでもネットを見ても気候変動、気候変動・・・。
インフラ関連に従事するぼくは、特に水災害に関連するキーワードで目にしない日はないくらい。
少し前までは地球温暖化、という言葉だったけど最近は気候変動に変わってきた。
正確には地球温暖化による気候変動がズームされてきた、ということ。
確かに、地球温暖化が問題なのではなく、温暖化により気候が変動することで様々な問題が噴出してくる。
もちろん、原因は二酸化炭素の放出。
テレビを見ていると二酸化炭素犯人説は根拠がない、というコメンテーターもいたりする。
ただ、IPCCという・・・国連気候変動に関する政府間パネルの第5次報告書のデータから気象庁が今世紀の将来予測をしている。
この予測から国交省が全国の一級河川水系で将来の年最大流域平均雨量を求めたところ、現在の1.1~1.3倍になるとの結果が出された。
つまり、雨量が増えれば河川の流量が増えるということ。
治水安全度に影響する、ということ。
もちろん、土砂災害のリスクも増大する。
雨量だけではなく、地球温暖化による世界の平均地上気温は0.3~4.8℃の上昇。
すこし、幅がありすぎ。つまり不確定要素が多すぎて確定できない、ということかと思う。
ちなみに、日本の平均気温は16.5℃。寒い~
だから、4.8℃くらい上昇した方が暖かくなって良いのではないか、と思ってしまう。
だけど、話はそんなに簡単ではない。
夏場は東京でも43℃くらいが普通になる。それは辛いか。
さらに、世界の平均海面も0.3~0.8mの上昇という。
これが暮らしにどう影響を与えるか、といえば、台風時などの高潮の被害が発生しやすくなる、ということ。
特に、東京、大阪、名古屋という三大都市圏は、いずれもゼロメートル地帯を抱えている。
そのため、河口付近には水門や防潮堤などを張り巡らしているが、海水面が80cm上昇すると、自然とその安全度は下がることになる。
ちなみに、80cmも海水面が上昇すると、三大都市圏では海水面以下となる面積が6割、人口の4割が暮らすことができなくなる。
そのように気候変動とは少し暑くなるのかな、とか、海面が80cm上昇したって別に大した数値じゃないよね、と思ってはいけない。
だから、テスラが電気自動車を作ろうとしてるわけで、だから、テスラの株式市場の時価総額がトヨタを抜いたわけ。つまり、世界が気候変動対策はビジネスになる、と思っているということ?
少し気候変動のことを調べたので、メモっておく。
温室効果ガスの排出源の割合
1位・・・25%で電力
やはり、化石燃料の使用をやめなければいけない。
やはり再生可能エネルギーへの転換なのか。つまり、高い蓄電技術ができればOK。
日本はいくら発電効率が良い技術を使っているといっても、化石燃料が8割近いから問題はある。
2位・・・24%で農業や畜産業
牛は世界に15億頭もいるらしい。
牛だけで日本の温暖化ガス総排出量よりも大きい。
牛肉1キロを生産するのは、ガソリン車160Km走行と同じCO2排出量らしいので、やはり、ビヨンドミートに期待がかかる。
ビヨンドミートとは、人工肉関連企業。
3位・・・21%で製造業
鉄の製造が大問題。自然界の鉄は酸化鉄状態で存在する。これにコークスを加え、大量のCO2を発生させて酸化鉄の酸素を剥がし取って鉄を作り出す。
4位・・・14%で交通運輸
やはり電気自動車だろう。
やはり建設業ということでは、水災害への事前防災への取り組み。
水力発電、スマートシティ、モビリティ革命などが挙げられる。
気候変動という言葉は、これまで以上に色々な場面で大きなテーマになる。
気にするようにしなければいけない。