続・ドローンについてメモってみた

ポストコロナ社会における建設業界の在り方として、これまで以上に、ICTフル活用工事を進めなくてはいけなくなるだろう。

その中で、ドローンの活用は、今後も進むだろう、とういことで、つい先日、ブログを書いた(下にリンクを貼りました)

ドローンについてメモってみた

前回は、ドローンについて本当に基本的なこと、一般的なことを書いたので、今回から、建設産業用ドローンについてメモっていく。

 

ドローンと言えば、アマゾンが配送でドローンを活用しただの、農薬散布にドローンを活用しただのと諸外国の報道をよく耳にする。

しかし、建設業界においてもドローンはかなり注目されている。

少し、その辺りをみていく。

まず、建設業界にドローンが本格的に使われた始めたきっかけは㈱小松製作所、あの建設機械大手のコマツといわれている。

2015年にドローンを建設分野で使い始めたそうだ。

2015年といえば、国交省がi-constructionをスタートさせた年でもある。

最初は写真測量だった。

従来、光波測距儀を使って、歩いて測量していた盛土の出来形を測量するのに、ドローンを使って、空中写真測量で対応したそうな。

圧倒的なスピードに、これを経験したら昔の測量には戻れない、と言わしめたらしい。

 

もちろん、従来からある空中写真測量自体のあり方も変わっていく。

空中写真測量というのは従来、航空機(セスナ)で人が乗って連続写真を撮影していたもの。

ラジコンヘリを使う場合もあったようだけど、ラジコンヘリではドローンほどの制御機能はなかっただろう。

 

空中写真測量の原理は簡単。

写真を空から連続で撮影していく。

連続する写真はオーバーラップ率80%という割合で、重なるように撮影をしていく。

重なるように撮影していくことで、写真に撮影された画像の位置X、Y、Z点の正確な座標値を補正できる、という仕組み。

これは、2枚の少しずらした写真を眺めることで、視点をうまく調整すると3Dに見える。

この仕組みを応用したもの。

こうすることで、点群データ、つまりX、Y、Z点の集まったデータ(点の群れのデータ)を取ることができる。

もちろん、ドローンが撮影した瞬間のドローンの位置情報もGPSで取得していく。

これらを専用ソフトで読み込み、解析することで、距離計測、盛土体積、3Dモデルの作成、図面作成や出来形管理までができるようになる。

これまで1週間かかっていた作業が1日かからないらしい。

国交省も空中写真測量の出来形基準をドローンの活用を想定して、民間企業と連携しながら改定を進めた。

 

なお、出来形基準というものは、対象物によってその精度は変わってくる。

コンクリート構造物を仕上げる高さに求められる精度と土工事の精度は違うように。

 

そのため、この空中写真測量をどの工種の測量に用いるのかは注意しないといけない。

そのため、精度を求められる測量では、現時点では、ドローンを飛ばす前に、事前に標定点を設置しなければ、精度を確保できない。

この標定点とは、測量対象に事前に地上レベルでトータルステーションなどを用いて、既知点としてXYZが分かる点を現地に設置しておく。

そして、空中写真において、この標定点から補正をかける、という方法。

ただ、この方法だと、結局事前に標定点を置かなければいけなかったり、その標定点の測量をこれまでと同じ方法で行わなければいけない。

だから、そんなに事務を短縮できるものでもない、とも聞いたことがある。

なので、現時点では、精度をそんなに求められない測量において有効、という状況かと思っている。

ただ、これらは明らかに技術が進めば解消される問題だと思う。

また、今年3月に発表された基準類の改正では、自機の位置を高精度で計測できるドローンの場合は標定点の設置を省略できる規定も設けられたらしい。

なので、これから、ドローン測量が入ってくる領域は拡大すると思っている。

 

 

それでは、現時点で活用が見込まれているドローンを空中写真測量以外についてみていきたい。

 

 

レーザードローン

これは、近赤外レーザーを地形に向けて照射して、その反射波の時間差から位置を測定するドローン。

レーザーを使うので、樹木に覆われた地形でも、地表面の高低差などを把握することができるので、これまでのように事前に樹木を伐採する必要がなくなったらしい。

これが実戦で活躍したのが2016年の熊本地震。

大規模に崩落した斜面で、さらなる崩壊が起こるような亀裂があるのか、その亀裂の大きさ、再度の斜面崩壊が起こった場合の崩落土砂量などを測量した。

これは、国交省からの依頼を受けた応用地質㈱がルーチェサーチ㈱に頼み、レーザードローンにより測量したらしい。

30分のフライト、その後すぐに地形データを作成して国交省に提出した、という(パチパチパチ)

こういう話を聞くと、その時の現場の状況や事務所での作業風景が想像されてしまい、とてもぼくは嬉しくなってしまう。

 

 

話が変わるけど、ドローンの強みは、その測量スピードもあるけど、人が入れないところをいとも簡単に入っていき、測量してしまう、というとこかと思う。

まさに、翼の生えたトータルステーション、GPS付き。

だから、熊本地震でも仮置きした廃棄物の高さなどの体積を図るときにも使われたらしい。

ドローンに赤外線センサーをつければ、廃棄物の中での発火、火災の防止にも役立てることができる、という。

 

レーザードローンは水中も図ることができる、というからビックリ。

近赤外レーザーでは、樹木は通過しても水面では反射してしまう。

そこで、グリーンレーザーというものを使うらしい。

なぜ、水中を測量する必要があるのか?

それは、河川の定期縦横断測量に使いたい、という需要があるから。

ここは国交省の水・管理保全局の要望が大きい。

この開発は大手航空測量会社と機体開発会社がタッグを組んでいる。

大手航空測量会社とは、朝日航洋、アジア航測、パスコなどで、機体開発はルーチェサーチやアミューズワンセルフ。

機体も数千万円とまだまだ高価らしいけど。

 

 

建設業におけるドローンは、他の場面でも活躍している。

次回のブログでは、インフラメンテナンスの分野にも進出しているドローンについてメモりたい。

 

 

 

 

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