建設投資と公共投資の違い

建設系の新聞や雑誌などを読んでいると、いつも迷う言葉がある。

建設投資、とか公共投資とか、他にも公共事業費だとか。

これって全部同じこと?

よく分からない。

なので、この辺りのことを少しメモってみる。

 

 

まず、建設投資とは?

この語句は国交省総合政策局のHPに掲載されている。

データもあるので表を作成してみる。

これは令和元年の見通しらしい。

建設投資

約63兆円

建築

約41兆円

(66%)

 

政府・民間

 

住宅 → 18兆円
非住宅 → 16兆円
リフォーム → 8兆円
土木

約22兆円

(33%)

政府

約15兆円

公共事業 → 約13兆円

※国、地方公共団体、独立行政法人などが行う新設、維持修繕工事

地方公営関係事業 → 約2兆円

※鉄道(JR4社以外)等、公営電力、公営ガス、上水道、通信など

民間 → 6兆円

※鉄道(JR4社、私鉄)、電力(9電力等)、私営ガス、民間土地造成など

 

日本のGDPが約558兆円(2019年)なので、建設投資の約63兆円という規模はGDPの約11%を占めている。

ちなみに、建設投資のピークは1992年で今から約30年前、約84兆円だった。GDPでは約17%を占めていた。

今でもGDP比で11%あるのだから、これは、かなり大きな産業といえるだろう。

もっとも、30年前はGDP比で約17%もあったのだから、そりゃ、業者数も就業人口も激減するわ、という印象。

ちなみに、建築を抜いた土木の約22兆円では、GDP比で約4%となっている。

 

 

公共投資とは?

この語句は国交省のHPなどからは見つからない。

おそらく、公共事業関係費、ということを公共投資と言っているのだと思う。

この公共事業関係費であれば、国税庁のHPに載っている。

令和元年度でいえば、6.9兆円。

しかし、この6.9兆円というのが、建設投資の土木の約22兆円の中のどこに該当するのかが分からない。

 

 

この6兆とか7兆、という数字はよく目にする数字。

日本の歳出予算が100兆円を突破!などと一緒に、その内、公共投資(この時にで出てくる語句)は当初予算で6兆円越え、などと紙面に踊っているのを見かけた気がする。

なので、公共投資とは公共事業関係費、と同義語だと思う。

 

 

他にも、公的固定資本形成。Igと書く。

これも公共投資を表す言葉としてよく目にする。

これは、政府が社会資本整備を行うための投資を表している。

もう少し説明すると、政府がつくる道路や公園、公団や公社がつくる建物や機械設備のこと。

つまり、これも公共投資。

となると、公共事業関係費も公的固定資産形成も同じく公共投資、となる。

ただ、公共事業では含まれなかった公的企業が入ってくる。

これは電力やガスやNTTなど。

本当にややこしい。

そして、公共事業関係費より公的固定資本形成の方がずっと大きい。3倍弱。

 

 

参考に、総固定資産形成、という言葉もある。

これは公的固定資本形成に民間部門(民間住宅と民間設備)も足したもの。

なので、こちらは、公共や民間など区別なく、インフラや建物や機械設備などの投資のことをいうらしい。

どちらかというと、民間部門も含んでいるので建設投資と似た語句だろう。

 

 

ん~つまり、公共投資というのは、あいまいな概念的な言葉。

公共、つまり国や自治体や公団のような公的な機関が行うこと。

そして、投資先はインフラや建物や機械設備・・・

ここで、少し違いが出てくるらしい。この投資先のところ。

 

 

公的固定資本形成というと、投資先として土地代は含まない。

これは固定資本を新たに形成した訳ではない、という解釈からだろう。

公共事業は違う。

公共事業関係費では、用地取得費など、土地を買う値段も含まれる。

逆に、公的固定資本形成では、コンピューターのソフトなどは含まれる。

でも、公共事業関係費では、ソフトは含まない。

なので、公共投資といっても、公共事業関係費と公的固定資本形成では、違いがある。

さて、土地を含むとかソフトを含まないとか、どのくらい違うのか?

 

 

建設投資は63兆円。

でも、この中には民間部門の投資が圧倒的に多い。

建築と土木では6:3の割合の中、建築はほとんどが民間なので、そのようなパーセンテージとなる。

実は、この建設投資も土地代は含んでいない。

土地代を含んでいるのは、公共事業関係費のみとなる。

 

そして、公共事業関係費は、5.9兆円。

公的固定資本形成は、約20兆円くらい、たぶん(GDPの約4%弱なので)

 

 

ちなみに、GDPのおさらい

GDPは国内総生産

これは、新たに生産されたモノとサービスの儲けの合計といわれている。

正確には

=個人消費+企業の投資+政府消費+(輸出ー輸入)

 

 

まとめてみる。

建設投資というのは、民間も含め、土木建築の投資額。

注意として土地や機械設備は含めない。

あくめで、建てたモノ。

次に、公共投資。

実はこの言葉は公式にはない。

一般的には、公共事業関係費と公的固定資本形成(Ig)を指す概念的な言葉。

で、公共事業関係費というのは、あくまで公共。

だから、民間部門は含まない。

でも、逆に建設投資のように建設物だけでなく、土地なども含むし、機械設備も含む。

そして、ややこしい公的固定資本形成。

公的なので、これも民間は含まない、と思いきや、公的企業の投資は入ってくる。

こんな感じ。

何となくわかったかな。

 

で、GDPに占める割合は

建設投資が12%、公的固定資本形成が4%弱、公共事業関係費が2%弱、といったところ。

 

そして、この数字がどう使われるのか?

実は、公的固定資本形成というのは、世界で見たときの日本の公共事業の予算が多いのか少ないのかを議論するときに使われる。

実際、財務省は、公的固定資本形成の割合が日本は先進国の中でも、トップクラスに高い、という。

だから、公共事業予算をこれ以上増やす必要はない、という論調。

まあ、それなりに納得感はある。

一方、国交省は、地形が違う、災害の頻度が違う、だから、橋一本架けるにも必要な整備は違う。

だから、公的固定資本形成のGDP比だけで判断はおかしい、との論調。

なるほど、なるほど、よく分かる。

後は、しっかりデータを見ないといけない。

で、この整備比の割合から、修正すると公的固定資本形成は2%台にまで落ち込むので、先進国の中でも中間くらいに下がるらしい。

 

 

少し、最後にメモが違う方向に進んだけど、建設投資と公共投資の違いは分かったので、良しとする。

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

CAPTCHA