今日は技術士の勉強。
平成30年の過去問。1次試験の建設部門。22問目の河川工学について。
問題文は「公益社団法人 日本技術士会」のHPで閲覧ができるようです。
「公益社団法人 日本技術士会」過去問(平成30年度 第1次試験)
河川工学について2問目。さっそく過去問を解いていく。
以下のサイトに分かりやすい断面図が掲載されている。
選択肢➀ 護岸
選択肢の問いは、護岸の主たる目的を聞いている。
さて、護岸と堤防の違いは何か?
簡単に言うと、堤防を守るために設置したものが護岸。
・護岸は斜めにコンクリートや芝などで、流水などから堤防を守るもの。
・堤防は、洪水時などに水が越流してこないように、堤内地を守るもの。
堤内地を守るのが堤防で、その堤防を守るのが護岸。
護岸には高水護岸とか低水護岸、というのがあって、大きな河川で高水敷が設けられているような場合・・・河原で野球なんかが行われているところが高水敷。
そして、その高水敷より低い護岸が低水護岸。
ここは、平常時に水が流れていて、常に流水にさらされている。
高水敷より高い護岸が高水護岸。
これは平常時は、何もしていないけど、大雨時に洪水から住宅地などを守るのが高水護岸。
堤防というとイメージ的に高水敷より高い山型の部分。
ここを保護するのが高水護岸、となる。
選択肢の低水河岸とあるが、これは河岸のうち低水部分にあるものを保護する、と言っている。
高水河岸は良いの?とも思うが、高水河岸って結局、堤防のことだから、選択肢の問いはOKとなる。
護岸の目的は、今書いたように堤防を保護するため、と低水河岸を保護するため。
選択肢② 天端工
これは引っ掛け問題のような感じ。
堤防の断面図をみたとき、天端というのは堤防の最も高いところ。
よく堤防道路などといって、車が普通に走っているところがある。
これも天端の仲間。
しかし、天端工とか天端保護工、となると、全然違う。
これは低水護岸の天端部分。低水護岸の法肩付近を流水から保護するための構造部、となる。
そして、この低水護岸工は高水護岸が流水により裏側から浸食されることを防ぐ、とある。
この解釈は、低水護岸が設置されていないと、流水が高水護岸の下部から潜り込み、護岸ブロックと土との間に入り込んでしまう。
それを防止するために天端工を行うのだ、というように無理やり考えられなくもないが×。
天端工の目的は低水護岸の天端部を保護するためのもの。
高水護岸を支えるという意味では基礎工がある。
選択肢③ のり覆工
のり覆工とは、簡単にいえば、堤防ののり面を何かで覆って保護する構造物。
何で覆うかについては、大抵はコンクリートブロック。
その上に土を盛って芝を張ることが多い。
で、何から保護するの?
それは流水や流木。
他にも土圧も当然考慮する。
選択肢④ 基礎工
のり覆工がコンクリートブロックの場合、そのコンクリートを張ったは良いけど、斜面になっているので、ずり落ちてくる。
それを支えるのが基礎工となる。
選択肢⑤ 根固め工
その名の通り、根を固めるんだけど、何の根か?
堤防の根。
堤防の根は基礎工ではないのか?
確かに基礎工もそう。基礎工はのり覆工の根、という感じ。
のり覆工とは、堤防のほとんどの面積をしめているから、その表現でも良いような気もする。
(高水敷が広い場合は、そこの方が面積は広くなるけど)
ただ、ネットなどで断面図を見てもらうと分かるけど、根固工は河床部分(低水護岸、高水護岸ともに)に広く設置するので、基礎工も含めて保護するようなイメージである。
はい終了。