このまま公共工事まで中止されていくのか

今朝の朝刊、国土交通省発注の公共工事の中断申し込み件数が発表された。

工事100件、業務600件

 

割合でいうと工事2%、業務15%という。

また、緊急事態宣言の対象地域に限ると、工事8%、業務33%となるそうだ。

政府の対処方針は、公共工事は継続要請だったはず。

ぼくの読みは政府は継続要請だけど、世論におされ自治体が公共工事も自粛要請がくるのではないかと読んでいたので、少しびっくりしている。

昨日の記事で、清水建設が7都府県での工事を5/6まで500現場で中止する方針を出して、今後、発注者と協議していくとのこと。

西松建設と東急建設も同様の方針だった。

さて、ここでゼネコンの売り上げトップ10、2019年版を見てみましょう。

 

1清水建設

2大林組

3大成建設

4鹿島建設

5竹中工務店

 

となっている。1位は何と清水建設、売上高1.4兆円。

5位の竹中でも1兆円は超えている。

 

この業界トップの清水建設が中止した判断はやはり大きい、と言わざるを得ない。

昨日の記事でも書いたが、公共工事は政府の行う経済対策として実施される事業だが、その理由は、インフラ整備という、すべての国民に享受される施設を整備するわけだから政府が行うわけだけど、経済対策として実施されるのはフロー効果が高いから、といわれている。

それは、裾野が広い産業、1次下請け、2次下請け・・・というように、多くの業種、多くの階層の人たちが携わることができる事業ということである。

 

しかし、今回はその清水建設が全ての工事を止める。

さらに国交省の工事で、すでに対象地域では8%が中断しているとの朝刊記事。

建設産業には多くの日雇い労働者が働いている。

特に他の産業よりも多いはずである。

間違いなく飲食店やバー、イベント業界よりも関わっている人は多い。

日雇いだけではない、ガードマン、足場、型枠大工、鉄筋工、生コン、重機、土工事、製品納入業者・・・。

建築になればさらに業種は一気に増えるだろう。

ちなみに、海外の建設業はどうなっているのか、ユーチューブの動画で見ただけなので真偽のほどは知らないけど、アメリカやイタリアはほとんど止めているようである。

現在、世論という誰よりも強いリーダーがいる。

これは総理大臣よりも圧倒的に強い力を持っている。

ぼくは、この世論がコロナ怖い!コロナ怖い!でパニックになって、公共工事も止めろ、とくるのではないかと予想していた。

政府の発表などでは、受注者に任せるとしつつも、維持管理や災害復旧に絡む工事は継続を原則とする、と方針を出すなど、経済を殺してはいけない、というメッセージをぼくは感じていた。

これが都知事とかだと、思い切りが良いというのかポピュリズムが過ぎるというのか、おそらく世論受けする方を取るだろう、と思っていた。

だから、世論を俊敏に察した知事あたりが、建設会社に自粛要請を行う、という流れかと思っていた。

ただ、もう狂った世論には誰もあがらえないだろうと思っていたのだが。

世論が政府や知事を通り越して、先に建設会社を直撃してしまったのではないだろうか。

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