〈技術士 1次試験〉H30年度・25問目 港湾

今日の技術士の勉強は港湾。

平成30年の建設部門の1次試験、過去問25問目の港湾をやっていく。

問題文は「公益社団法人 日本技術士会」のHPで閲覧ができるようです。

「公益社団法人 日本技術士会」過去問(平成30年度 第1次試験)

 

 

インフラ施設として、港湾の果たす役割はとても大きい。

いうまでもなく港湾の役割は海外と貿易に資する、ということ。

日本の貿易依存度はGDPの約25%。

つまり、日本のGDPが550兆円ちょっとなので、150兆円前後が貿易によるもの。

その貿易の中でも、さらに金額ベースでは3/4は港湾が支えている。

ちなみに、残りの1/4が空港となる。

重量ベースにすると貿易のほとんどを港湾が担っていることになる。

 

 

どんな港湾だと貿易に有利なんだろうか?

本当は生産性革命プロジェクトとしてAIターミナルとか面白い話題もある。

一方、港湾整備に予算が投じられず、基幹航路が失われ危機的状況、との課題もある。

だけど、今日は資格の勉強。

まずは港湾というものはどんなもの?

 

 

 

選択肢➀ 港湾計画

 

港湾計画には、港湾施設工業用地都市機能用地などの配置を定めるべきか?というのが選択肢の問い。

こういう問題の場合、計画策定において、余分なものを書いているか、大事なものが足りないかという視点が大事。

だけど、選択肢には「等」がついているので、何が含まれているか分からない。

だから、回答としては、余分なものが書かれていなければ〇となる。

 

 

さて港湾計画とは何だろう?

港湾法という法律があって、そこに港湾計画について書かれている。

簡単には、国際戦略港湾国際拠点港湾重要港湾は開発や利用、保全について港湾計画を定めなければならない、とされている。

もちろん、定めるのは港湾管理者

他にも「港湾計画の基本的な基準を定める省令」というものもある。

また、平成17年ごろに港湾計画の見直しの議論が進められていたようである。

 

まず、港湾施設をどう配置するのか、これは港湾計画で定めなければいけない。

港湾施設とは、防波堤、航路、ふ頭などが当てはまる。

つぎ、土地利用計画も定めなければいけない。

この土地利用計画のなかに、工業用地や都市機能用地、他にもふ頭用地や交流拠点用地などを決めるよう定められている。

 

 

 

選択肢② 航路の方向

 

航路の方向は、卓越風波の方向に対し直角で良いか?という問い。

卓越風波とはなんぞや?

港内の静穏度とは?

まず、卓越風とは、ある一地方に、ある特定の期間、もっとも頻度が高い風向きの風のこと。

具体的には貿易法、偏西風などがあたる。

つぎ、港内の静穏度を確保する、とは、簡単にいえば、船が安定するように波を静かに保つ尺度のこと。

防波堤を設置したりして静穏度を確保する。

 

 

で、航路の方向が、卓越風と直角にとると、船は真横から風や波を受けることになる。

そうなれば、船は暴れ、港内の波は荒れる為ため、静穏度を確保することはできない。

 

 

 

選択肢③ 航路の長さ

 

航路とは、船舶が海上や河川上を航行するための通路のこと。

地図でも点線で表されている。

港口部(こうこうぶ)、つまり港の出入口から泊地(はくち)までの長さは、船舶の停止可能距離を考慮して定める。

ん~当然すぎて何も書けない。

 

 

 

選択肢④ 泊地の深さ

 

満載喫水に10%の余裕を見た深さとする?ということが問い。

まず、喫水とは?

喫水とは船舶の浮き沈みの程度を表す。

だから、船の積み荷を重くすると喫水は深くなる

喫水線というのは、よく船を外側から見ると船体に線が書かれている。喫水線である。

荷物を積めば積むほど、喫水線は上がっていく

つまり、船は深く沈んでいく。

満水喫水線というのは、それ以上は積めませんよ、という線。

なので、一番深い喫水ということ。

 

 

で、港湾の泊地では、その深さは、対象船舶の満水喫水に10%の余裕の深さを見ておく、とされている。

また、それは満潮干潮があるからだと思うけど、最も水面が下がるとき、つまり最低水面から考える、とされている。

最高水面と最低水面では4m程度も変わる港湾もあるらしい。

 

 

日本の港の深さが足りない、という話を聞いたことはないだろうか。

昔は15mの深さで足りていたが、近年、コンテナ船の大型化により、18m級が必要になってきた、などという問題。

日本の港は深さが足りず、韓国や中国の港湾に取られ、基幹航路を失いかけている、というのが冒頭に書いたこと。

この辺りは、また調べてブログで書きたい。

 

 

 

選択肢⑤ 防波堤

 

防波堤の役割は港内の静穏度を保つため

外洋から来る波を外側で抑えるのが役割。

防波堤は海面から出ている部分は少ないけど、海底から積み上げられているので、思っている以上に大規模。

選択肢の文中には、反射波、沿波、波の集中という言葉があるけど、波の種類を言っているだけで、どの波からも港内を守ることには変わりはない。

 

 

 

さて、今日は港湾について。

仕事で港湾に関わったことはない。

だから、中々新鮮な感じで勉強できた。

コロナでは厄介もの扱いのクルーズ船だけど、つい最近までは、クルーズ船を受け入れるための環境整備が求められていた。

いや、今でもその価値に変わりはない。

具体の港湾名でいうならば、熊本県の八代港でのクルーズ専用岸壁の整備などである。

クルーズ船だけではない。

他にも、名古屋港においては、自動車産業の輸出拡大などを見据えて、12mの大水深岸壁の整備を進めている。

そうなると、大型船が入港できるようになり、輸送コストが5割も下がる、とのこと。

 

 

港湾については、どこかでしっかり、調べてメモっていきたい。

 

 

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