本日、技術士の問題2問目。
平成30年の建設部門の1次試験、18問目の水理学。
問題文は「公益社団法人 日本技術士会」のHPで閲覧ができるようです。
「公益社団法人 日本技術士会」過去問(平成30年度 第1次試験)
開水路の問題だけど、ちらっと問題を見ただけで、かなりやっかい。
少し、雑談になるけど、ブログに書きながら、問題を解くというのは、とても効率が悪い気がしてきた。
全然進まない。
でも、初めから分かっていたことではあるので・・・・
愚痴っても仕方ないので、とにかく、問題を解いていこう。
選択肢➀ マニングの式
水理学でおなじみのマニングの式。
これは流速を求める式。
水深と祖度係数と勾配が分かれば、流速を計算できるよ、ということ。
ここで、水深とは、水路の形状にもよるから、すこしややこしいけど。
では、式を書く。
マニングの公式 V = 1/n × Rˆ(2/3)× Iˆ(1/2)
R=A÷S
V:平均流速
R:径深
I:動水勾配
n:祖度係数
A:通水断面積
S:潤辺
これを見ると、一目瞭然。
選択肢の問いは、平均流速は祖度係数に比例するか?いやいや、反比例している。
つまり、この問いは、マニングの公式をしっかり、記憶していますか?という問い。
チョー簡単、と思ってしまう。
仮に公式を正確に覚えていなくても、イメージだけ持っておけば解けそう。
流速は、径深に比例する。
径深というのは通水断面積を通水している区間の長さで割る。
つまり水深っぽいのが出る。
つまり、流速は深くなればなるほど早くなる、というイメージを持てばよい。
もう少し正確に、簡単にいうと、水が流れている断面積が同じなら、幅が広い浅瀬の川より幅は狭いけど水深の深い川の方が流れは速い、ということ。
かなり雑に表現しているので、あしからず。
次、動水勾配は、公式を見る間でもないけど、勾配が大きくなればなるほど流速は速くなる。なんか当然。
そして、選択肢になるけど、祖度係数は、大きく(荒く)なればなるほど、流速は遅くなる。これも、感覚でわかること。
これは国語の問題ともいえる。
祖度係数が大きいと通水面が荒いということ。抵抗が大きいということ。
抵抗が大きければ、流速は小さくなる。
つまり祖度係数と流速は反比例する。
実はこれだけで解けてしまう問題。
選択肢② 常流と射流と限界流
少し難しい。
常流というのは流速が波より遅い流れ。
射流はその逆。
限界流は流速と波が同じ速度の流れ。
ということだけど、これではイメージが沸かない。
流速は分かるけど、波とは?
流速は、そこにある物体(流体)が移動する速さ。
に対し、波の場合、物体自体は移動せず、波動を伝えるものとして物体が存在することになる。
そして、波の速さは、水深がわかれば求められることが分かっている。
c(波の速さ)=√gh
例えば、海の波の場合、津波のことだけど、海の平均水深は3800mと分かっている。
これを公式に当てはめると、193m/sと出る。
つまり、海の真ん中あたりでは秒速200m近いスピードとなる。
水深が浅くなれば、遅くなる。
水深5mぐらいのところでは、7m/sくらい。と計算できる。
そして、流速と波の速さの関係で、常流と射流と限界流が決まる、ということ。
流速が波より遅いのを常流。
もう少しイメージできるように書くと、普通の河川の緩やかな流れは常流。
滝っぽくなっているようなところは射流。
または、常流の場合、下流の水面変動が常流に伝わる。
これは、川の水は上流から下流に流れているけど、流速より波の方が早いから、波という形で水面変動が伝わって影響を受ける、ということ。
射流は波より流速、つまり水粒子自体の流れの方が速いから、下流の水面変動は上流に伝わらない。波が届く前に水粒子が下流に流れてしまうから。
これが流速と波の比較によって常流、射流が決まるということ。
次、フルード数。Frと書く。
これは流速と波を比較した数値。
Fr = v/c = v/√gh となる。
波に対し、流速がどの程度かを表している。
流速が主。
当然、流速の方が早ければFrは1より大きくなる。だから射流となる。
同様に、流速の方が波より遅れければ、フルード数Frは1より小さくなる。
この問題は、Fr=v/cを知っていれば良い。
注意することは、主は流速。だから分子が流速になっている。
選択肢③ 等流水深と限界水深
まず、限界水深というのは、限界流となる水深のこと。
だから、波の速さと同じ流速をもつときの水深。
なので、限界流のとき、流れ(流速)が早ければ、波も早くなる。
次に、等流水深とは何か?
まず、等流とはどんな流れか?まず、定常流と非定常流だと、どちらに分類されるか?
これは、定常流。
洪水のような非定常流ではなく、穏やかな日の河川の流れのイメージ。
ちなみに、定常流と非定常流の違いは、時間変化とともに流量、流速、水深が変化するような流れを非定常流という。
等流に対する語句として不等流があるが、これは空間的変化があるのかないのかで分類される。
定常流の代表例として、人口的な排水路の場合、断面積が一定なので、水深や流速も一定となるパターンが一つ。
もう一つの定常流の代表パターンとしては、自然界の河川のように、川幅の広いところと狭いところ、水深も浅い深いがある。
では、同じ定常流でも、断面積一定の水路の場合や川幅が変化する河川のような場合、この2パターンに違いはあるのか?
この場合、前者のパターンを等流と呼んでいる。
で、この等流の場合、川幅や水深が一定の場合、勾配がきつくなると、流速が速くなるので、水深は浅くなる。
勾配が緩やかになると、流速が遅くなるので、水深は深くなる。
この辺はQ=AVが一定の法則からわかること。
等流水深とは、ある勾配があって、その勾配が続いたときに現れる水深のことをいう。
次に限界勾配とは何か?
流速が波の速さが同じになったときの勾配、ということ。
また、等流水深=限界水深となるような勾配のことを限界勾配という。
その勾配より急だと、波を流速が超えるので射流となるし、逆なら常流。
選択肢の問いをみると、限界勾配より緩いといっているので、流速は遅くなるので、常流。
選択肢をみる。
まず、限界勾配より緩い勾配の水路という条件がついている。
この言葉の意味は、この問題は「常流という前提で考えてください」と言っている。
そして、等流水深と限界水深を比べるとどちらが深くなるか?という問い。
等流は常流。
限界水深は射流から常流になるときの瞬間的な水深。
普通に考えて、等流の方が流れをどんどん勾配をつけて限界流になった瞬間、流速は速くなっているので水深は浅くなっている。
Q=AVからも当然という印象。
答えは、等流水深の方が限界水深より大きい、というのは普通の感覚。
この問題、限界勾配よりも緩い勾配、という条件を付けてくれているので、常流になる。
そうなると、流速が(波より)遅い等流と流速が(波と同じ速さくらいに)速い限界流では、どちらの水深が深いか、という国語の問題とも考えられる。
選択肢④ 射流の水面形
限界勾配より急な勾配。
ということは、流れは射流になる。逆に限界勾配より緩やかであれば常流。
射流の水面形は下流で等流水深に漸近する??
翻訳すると、めっちゃ早い流れだったとしても、下流のほうで、等流水深、つまり流速が波より遅い流れになろうとする、ということ。
あと
水面の形は下流から上流に向かって決まるということ。これは常流の場合。
なので、普通のゆったり流れる河川の場合、水面の形は下流の状況によって決まる、ということ。
少し、普段の暮らしでは感覚的に難しいから、そうなるんだ、へぇ~と思う事にする。
でも、流速より波の方が速い常流の場合、なんとなく想像はできるんだけど。
そして、今回の問題は常流ではなく、射流の場合。
なので、かなり流れが速く、水面が暴れているような流れのとき、下流での水面は等流水深に漸近する、ということ。
これは、そういうもんだ、と覚えておく。
間違っているかもしれないけど、イメージとしては、下流に行けば行くほど、流れが一定になっていき波の速さより流速が遅くなっていくのかな~と。
選択肢⑤ 限界勾配
等流水深の場合、水路勾配が大きいほど、浅くなる。これは普通にわかる。
次に、限界水深の場合、水路勾配に影響されないか?という問い。
限界水深の場合、流速が波の速さと同じ限界流が流れるときの水深。
限界流が流れるときというのは、射流から常流になるときの水深のときの流れ。
つまり、等流水深=限界水深のときの勾配を限界勾配というのだから、
限界勾配が大きくなったから限界水深が深くなる、というものではない。関係ない、ということ。
今日はとても難しかった。
流しそうめんを想像しながら勉強したけど、なんかしっくりこない。
また、過去問をやるときに再勉強が必要な単元かも。