今日も技術士1次試験の過去問の勉強を始める。
今日は平成29年度の9問目、道路橋の床版について問題を解いてみる。
問題は下記のサイトで見ることができる。↓
公益社団法人 日本技術士協会 平成29年度 第1次試験 建設部門
さっそく選択肢を読んでいく。
選択肢➀ 鋼コンクリート合成床版
RC床版が一般的だが、それに対して鋼コンクリート合成床版(SC床版)
RCは「強化されたコンクリート」という意味。
PCは「予め圧縮応力を与えられたコンクリート」という意味。
そして、SCは「スチールコンクリート=鋼コンクリート」である。
通常のRC床版は上鉄筋と下鉄筋が入っているが、SC床版は下鉄筋が下鋼板に変わっている。
また、横リブもある。
側鋼板はそのままコンクリート打設の型枠としても利用できる。
なので型枠支保工が不要となる。
なので、設問文のとおり、鋼板や型鋼の鋼材料がコンクリートとそのまま一体となって荷重に対抗する。
下記のサイトが動画もあり分かりやすい↓
選択肢② 床版
自動車の輪荷重を支えるもの
輪荷重の大きさと頻度に影響を受ける
特に、大型自動車の走行台数の影響が大きい
選択肢③ 鋼床版
こちらのサイトで構造を確認しておいた方が良い↓
デッキプレートの上面には基層、表層がくる。
デッキプレートの裏面には縦リブと横リブにて補剛した床版である。
さらに、この鋼床版と主桁や横桁、縦桁と一体化(床組構造)したものが多い。
コンクリート床版と比べると厚みはかなり薄くなるので自重が軽く済む。
コンクリートの比重は2.3、鉄は8ほどあるが、それ以上に薄くすることが可能。
そのため、地盤が悪く部材重量を小さくしたい場合や桁高に制限を受ける場所で優位性を発揮する。
しかし、使用実績としては、圧倒的にコンクリート床版の方が多い。
選択肢④ 合成桁床版
合成桁の床版のコンクリートは、主桁作用としての応力、床版作用としての応力を同時に受ける、とある。
主桁作用としての応力とは、桁と一体化した床組構造の場合、桁としての機能も一部請け負っていることになる。
また、上面には車両の走行による、いわゆる床版としての応力も受けることになる。
そのことを言っている、と思われる。たぶん。
選択肢⑤ 床版の設計
床版の設計に使われる荷重の種類を聞いている。
これは令和元年の過去問でも同様の問題が出題されている。
まず、大前提として車道部については
・床版の設計は T荷重(集中荷重)を用いる
・主桁の設計は L荷重(群衆荷重=等分布荷重)を用いる
ちなみに、歩道部の荷重は群衆荷重(等分布荷重)を持ちいるもの、とされている。
床版は直接、輪荷重に対抗するのでT荷重、つまり集中荷重であるトラック荷重で設計する。
しかし、桁は1台1台の荷重ではなく、支間長を支えるので全体、つまり群衆荷重で設計する必要がある。
終わり。