大規模イベントなどの交通マネジメント

技術士二次試験のためのメモ。

今日は交通マネジメントについて。

 

令和元年の選択科目「道路」のⅢで、東京オリンピックに向けて、交通マネジメントの対策実施者として述べよ、という出題。

過去問は以下のサイトで見ることができる。

「公益社団法人 日本技術士会」過去問 第二次試験 令和元年度 建設部門 道路

 

設問は3問。簡単に書く。

(1)平時を大幅に上回る交通需要に対して、多面的な観点から課題を分析せよ

(2)最も重要な課題を上げ、複数の解決策を述べよ

(3)その解決策に共通するリスクとその対策を述べよ

というもの。

 

もし、昨年に受けていたら、こんな問題に答えなきゃいけないのかと思うと、やっぱり技術士は無理かも、と思ってしまう。

来年は、東京オリンピックが1年延期されたことによる、インフラ整備やメンテンナンスにおける影響は?とかを聞かれるのだろうか。

もう無理と投げ出したくなる。

 

 

と言ってもいても仕方がないで、とりあえず、思いつくまま。

確かに、オリンピックでは平時を大幅に上回る交通需要が発生することは間違いない。

そうなると何が問題なのか?

大渋滞。

渋滞対策が交通需要マネジメント、いわゆるTDMである。

 

 

現在の日本では、渋滞による損失額は12兆円/年間。

そして、国民一人あたり年間42時間の損失時間が発生しているらしい。

これは、普段の渋滞によるもの。

つまり、人間が我慢できる範囲の渋滞。

社会生活に大きな影響を及ぼさない範囲の渋滞。

なぜなら、渋滞が発生している場所を覚えた人間はそこを避けて通行するようになるから。

また、クルマから公共交通機関に転換するなど、環境に合わせて生活を変えるのが人間だから。

だから、この渋滞損失の渋滞は我慢のできる、社会的にみてある程度許容されている渋滞ということ。

でも、一時的なイベントの場合はそうはいかない。

人は学んで改善していくけども、一時的なイベントの場合、学ぶ機会がないまま大渋滞が発生し、社会に大きな影響を与えてしまうことになる。

そのためにも、TDM、交通需要マネジメントが求められている、ということ。

 

 

確か、東京都ではオリンピックの渋滞対策として

・クルマの偶数と奇数のナンバーでロードプライシング

・高速料金の昼間の値上げ

・民間駐車場を停止して、それを事前に周知する

色々な案が出されていたと思う。

 

 

他にも、昨年は大阪サミットが行われた。

その際も大規模な交通規制を行うことで、交通需要をマネジメントしていた。

大阪の場合、完全な通行止めにしていたようなので、これを交通マネジメントというのかは分からない。

 

 

さて、一般的な交通需要マネジメントとしては5つの対策に分類される。

・ 時間の変更

朝夕のピークをずらす時差通勤やフレックスタイム制。

これはコロナ禍で流行ったので、この効果は絶大。

実際に、TDMではもっとも一般的に行われる対策

・ 路線の変更

これは混雑している路線から空いている路線に誘導する施策

・ 手段の変更

鉄道などの大量公共交通機関に転換させる

・ 自動車の効率的利用

乗用車の平均乗車人数を増加させる。そのための手段として相乗りの推奨などがある。

・ 発生源の調整

在宅勤務やオンライン会議、テレカンファレンスなど、コロナ過でとられた対策

 

 

こうして眺めてみると、相乗り以外と公共交通機関への転換以外はコロナ過の対策と同じ。

つまり、ニューノーマルというのか新しい生活様式というのか。

渋滞の抑制と新しい生活様式は意外と相性が良いことが今回、分かった。

 

少し話が逸れたけど、(1)の多面的な観点からの課題の分析は、上記の5つに絞られる。

東京オリンピックで検討されていた、ナンバーの奇数偶数によるロードプライシングは1日単位での時間の変更ともとれるし、1日置きの発生源の調整ともとれる。

また、高速料金の昼間値上げや周辺駐車場の営業停止も、発生源の調整や手段の変更と捉えることができる。

 

とりあえず、今回は多面的な観点からの課題の抽出は、この5種類ということで完了。

ここまでは一般論なので、受験者オリジナルの考えはないけど、良いのかな?

少しそこが心配。

 

次回、(2)以降を考えみる。

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