今日は技術士1次試験のR元年の問題。
15問目の交通流動調査について。
こちらはパーソントリップ調査が有名だけど、具体的な調査方法などは知らないので、少し勉強がてら。
5年に1度実施されるパーソントリップ調査。
本来なら平成32年が次回の調査年。つまり、令和2年の今年、調査を実施するはずなんだけど、まだかな?
過去問は下記のHPから取得できる。
「公益社団法人 日本技術士会」過去問 第一次試験 令和元年度 建設部門
いつものように、パーソントリップ調査の概要をメモっていく。
大抵、この前段のメモで選択肢は解けるはず。
まず、パートントリップ調査と一口にいっても、国土交通省が実施する全国都市交通特性調査(旧全国PT調査)と地方公共団体が実施する都市圏パーソントリップ調査というものがある。
各地方公共団体で実施する都市圏PT調査は、都市交通マスタープランの策定時期に実施するため、各自治体ごとにタイミングはバラバラ。
そのため、全国横ぐしの分析は困難なので、国交省が全国一斉調査を5年に一度行う。
そのため、都市圏PT調査よりは荒い。
都市圏PT調査が人口の数パーセントという規模感に対し、全国都市特性調査の場合はサンプル数は人口に関係なく500人と決めている。
だた、1987年から継続しているため、時系列的に交通特性の変化を把握できる。
また、都市圏PTを実施していない小規模な自治体でも把握できる。
さらに、主要な都市交通特性値を全国横ぐしで比較することができる。
ちなみに、都市交通特性値とは?
・外出率・・・出かけている人と出かけていない人の割合
・トリップ数・・・目的トリップと手段トリップに分かれる。通勤という目的トリップは1トリップに対し、徒歩やバスや地下鉄を使う場合は手段トリップは3トリップとなる。
・交通手段分担率・・・徒歩、自転車、公共交通機関、自動車などの分担割合
調査の方法は、個人票という帳票に各個人が記載してもらう。
その日、外出したか?していないか?
外出した場合、施設の種類、目的、交通手段、駐車場所、それを出発地から目的地まで、経由した場所、同乗者、運転者など事細かく記載しないといけない。
記載するのも面倒になるようなアンケート?
ただ、そこまでするので、多くのことが把握できる。
最後にOD調査との比較をしておく。
OD調査とは別名、自動車OD調査とか自動車起終点調査とかいう。
全国都市交通特性調査、つまりパーソントリップ調査が人の動きに注目していたのに対し、OD調査はクルマの動きに注目している。
選択肢➀ 人の動き
パーソントリップ調査は人の動きを調べる調査であることは間違いない。
OD調査はクルマの動きに注目しているけど。
選択肢② トリップ
目的トリップと手段トリップに分かれる。
選択肢は目的トリップを聞いているので、1つの目的のために行われる交通。
なので、1日にいくつもの目的をもって動く人の場合、1回の外出でも複数のトリップとして扱う。
選択肢③ 交通手段
交通手段、つまりクルマ?自転車?公共交通機関?
これらは重要な要素。
これが分かるから交通分担率などを把握することができる。
選択肢④ 空間領域
一定の空間領域をゾーンとして捉える。
選択肢⑤ スクリーンライン調査
対象地域、つまり市域を分断する仮想ラインを想定し、そのラインを横断する交通量を図る調査。
この仮想ラインは河川などで分断されている場合は橋梁上を通過する交通量を図る場合などがある。
このスクリーンライン調査はOD調査の一つ。
比較的、簡単な問題だった。
やっぱり、土質力学とか構造力学系よりも簡単。
やっぱり学生が一番大変だな~。
しかし、冒頭で書いたけど、この全国都市交通特性調査の個人票に記入するのはとても大変。
モニターの負担も大きいし、解析する側も大変。つまり調査コストが高い、ということ。
これだけSocity5.0だとか第4次産業革命とか言っている割には、原始的な調査だな、と思った。
携帯電話の追跡などで、匿名性を高めた状態でデータを取得すれば、ある程度のことは把握できると思う。
その結果をAIに解析させれば、出発地と目的地、滞在時間やその目的、目的トリップに対する手段トリップなど、すべて把握できるはず。
当然、国交省もそんな事は分かっていても、個人情報保護の点から動けないのだろうけど。
でも、いつまでも、個人情報保護を保護しますとばかりに訴えていないで、情報保護は当然として、国は経済的なメリットをもっと打ち出すべき。
そうしないと、スーパーシティ法案が国会を通過し、なんとか制度は出来たけど活用されず、といった状況に陥ることは目に見えている。
そもそも、何で国民は民間企業には平気でクレジットカード番号とか入力するのに、国など公共機関になると途端に問題視するのだろう?
これもマスコミの報道の仕方に問題があるように思っている。