清水建設が緊急事態宣言の対象地域の作業所を緊急事態宣言終了までの間、閉所するとの朝刊。
ついにゼネコントップ5の一角が工事を中断する方針を出した。
清水建設の現場では社員に死者が出たことが大きいと思われるが、他のゼネコンでも西松建設や東急建設も同様の方針を出している。
少し前の記事では、世論に押された知事からの要請で、工事が中断していくのではないだろうか、とぼくは予想していたのだけど、まさか建設会社自らが工事中断を申し入れしていく事態になるとは。
一方で、東京建設業協会は、作業員の感染防止措置を確保しながら、工事は続行するという協会のスタンスを示した。
また、東京都の工事や業務の発注を担う各局は、ライフライン関係の発注広告を継続するとしている。
中止すると都民の安全や経済活動に影響を与えうるとしている。
いわゆる、公共事業が災害対応の事業であり、景気対策効果としての事業であることを理由にしている。
しかし、まだまだ、始まったばかりなので、これから各社がどう動くのか、政府や自治体がどう動くのかは分からない。
さて、建設業界がどう動くか、役所側がどう動くのかは世論によるところが大きいと思うが、建設業界のこれから、というのはこの短期的な視点だけにとらわれてはいけない。
これから、コロナによる大恐慌がきたとき、政府が大恐慌を乗り越えるため、打って出る財政政策としては、公共事業が選択されるのかどうか、ということ。
確かに、1930年代、世界大恐慌が起きたとき、アメリカのルーズベルト大統領が執ったニューディール政策では大規模な公共事業が実施されている。
あれは90年も前のことで、IT社会においては公共事業では景気が良くならない、というのも分かる。
しかし、では何に政府が投資をするのか。常識的に考えるならば、政府がお金を作り、それを民間に渡さなければいけない。
そのためには、適切な事業に投資をすることが必要だと思う。
では、その適切な投資先の事業とは?
視点としては雇用を創出しなければいけない。
そのとき、公共がお金を出すとしたら、インフラになる。
インフラは国民誰もが利益を享受できるからである。
もう一つは、災害対策に寄与するという理由でも公共事業は外せない。
今年の夏場も台風はやってくるだろう。
近年は気候変動の影響といわれているが、雨の降り方が異常となっており、数か月後の夏場も結構危ない。
そのためには、災害対策工事を実施することは鉄板だろう。
ちなみに、被災したときの体育館での避難状況を思い出すと、何とかそれまでにコロナが収束していなければ悲惨なことになる。
三密のうえ、医療機関も被災していれば、それは地獄絵図が訪れることになる。