今日は、さっきリニア中央新幹線の工事が中断されたブログを書いたので、その続きで鉄道工学の過去問を解いてみる。
今日も平成30年の1次試験、建設部門の過去問、30問目の鉄道工学から。
問題文は「公益社団法人 日本技術士会」のHPで閲覧ができるようです。
「公益社団法人 日本技術士会」過去問(平成30年度 第1次試験)
それでは解いていく。
選択肢➀ 線路の設計
問いを翻訳すると、設計には輸送状態に適した構造、強度にすること、とある。
これは当然のことのように見える。
次に、その輸送状態とは、重量、速度、輸送量などによるよ、とある。
これらは「鉄道の技術上の基準に関する省令」という基準書がある。
この省令には、軌間(レール)、線形、曲率半径、カントなどについて記されている。
さらに、それぞれ、重量、速度、輸送量などについて考慮するように記されている。
これは国交省の省令。
少しメモ。
・法律:国会の議決を経て制定されるもの
・政令:内閣が制定する命令
・省令:各府省の大臣が、自分の所管する行政事務について発する命令
・通達:行政内部の命令
法律から省令までは、国民が守らないといけない。
選択肢② まくらぎの役目
問いは、まくらぎの役目。
レールは1067mmなど、超厳密に決められている。
この軌間1067mmを保持するためのものがまくらぎ。
もう一つは、列車荷重を道床に分布させること。
道床とは。
簡単に上から言うと、レール、まくらぎ、道床、路盤という形がシンプルな構造。
まくらぎの上にレールがあり、レールからまくらぎに荷重が伝わり、まくらぎから道床に荷重は伝わっていく。
選択肢③ レール締結
問いの分解から始める。
レールの継目が減ると乗り心地が良くなる。これはOK。
レールも工場で作って運ぶので、ある程度の短さにしないと運搬できない。
だから、どうしてもレールとレールをつなぐ継目が発生する。
でも、これがあると、電車に乗っていても、ガタンゴトンと音や振動がくる。
これは一般に乗り心地は良くないものとされる。
次に、現場溶接でレール同士をつなぐ、とある。
ぼくの感覚では、レールの夏場の膨張、冬場の縮みから、継目は遊ばしておいた方が良いと思うけど。
答えを見ると、ガーン。ぼくの間違い。
調べてみると、レールには確かに膨張などにより伸縮を繰り返す。
そのため、夏場は膨張により内部応力として圧縮力がかかり、冬場は内部応力として引っ張り力がかかっているそう。
むかしは、レール間の隙間を空ける場合もあったそうだけど、今は内部応力としてため込めるように、まくらぎの強化などで対応しているらしい。
乗り心地、ユーザーエクスペリエンス重視、というわけ。
では、答えは〇か?これが×らしい。
レール締結といのは、レールとまくらぎを連結することをいうらしい。
選択肢④ レール標準長
レールの標準長さは25m。
そして、現場溶接により長尺化したものは200m以上もある。
これをロングレールとよぶ。
これは正解。
しかし、レール敷設時は25mの標準長さの製品を運搬できるのか?
ん~、鉄道で運べば良いのか?
選択肢⑤ 曲線の通過
車両が曲線を通過するとき、車輪のフランジが内軌側、外軌側ともにレールの内側に接触。
その対策として軌間を少し広げる。
この広げる量をスラックという。
少し図でみないとテキストの限界。
下のサイトがとても分かりやすかったので、参考に。
https://www.mintetsu.or.jp/kids/know/qa/qa_mechanism.html
http://www.tawatawa.com/denshanani/page024.html
上のHPを見ると、スラックがないと、理屈的には曲がれないことになるんだ、ということが理解できる。
鉄道の工事、ぼくは関わったことがなくて、さすがに時間がかかった。