中部国際空港の国際線が4月1日以降ゼロになるとの新聞記事を見た。
ピーク時は国際線の週間便数が480便を超える記録もあったらしい。
それがゼロになるとのこと。政府が3月上旬にコロナウィルスの関係で中国、韓国便の到着先を成田、関西両空港に限定する方針を出した影響。
インフラとしての空港がどれだけ公益に寄与してきただろう。
地方の赤字路線のバスは、暮らしを支えるインフラとして、赤字が続いても、自治体が支援するなど、今の段階では支えようと努めている印象がある。
だから、少し空港についても存在意義をメモしておく。
空港は何のために存在するのか?
普通は旅客を思い浮かべるけども、国際貿易としての価値が実は大きい。
まず重量ベースでみると、輸出入は船がほとんど。
重い荷物はタンカーで運んでいるのが現実。
重量ベースではそうなるが、金額ベースでは1/4を超える程度が空輸だそうだ。
これは軽く高価なものは、飛行機で運んでいることを示している。
半導体や医療用機器などは空輸となり、結果的に交易全体の25%以上を空の便に頼っている、ということ。
日本の貿易額は輸出、輸入ともに昨年度は約80兆円くらい。その内、空の便が1/4ということは20兆円ぐらいが飛行機ということ。
ちなみに、空港のトップは成田空港でここがダントツ1位。
まあ、成田空港は世界でも2番目に貿易額が大きい空港らしいので、比較はできない。
輸入も輸出もそれぞれ10兆円を超えている。つまり空の便の半分は成田空港ということ。
で、中部国際空港はというと、実は貿易額はそれほどでもない。
中部国際空港は成田空港の1/10に満たない。
同じ中部地方でいうなら名古屋港がやはり大きい。トヨタ自動車の存在が大きいのだろう。
それでも、貿易額だけなら成田空港の方が名古屋港よりも大きい。
話がだいぶ細かいところにきた。
さて、空港の存在意義を本を読みながらメモっていく。
なぜ、そんなことを調べているかというと、今回のコロナウィルスでは世界中の航空会社が危機に瀕している。
実際に破綻に追い込まれる航空会社も出てくるだろう。
その時、政府が大手空港会社は暮らしに必要なインフラとして、救済策が出されると思うからである。
今、見てきたように貿易については、重量ベースでは、ほとんどシェアがなくても金額ベースでは1/4を占めるインフラである。
調べていくと、それだけではないようである。
これは、いわゆるストック効果と言われるもので、風吹けば桶屋が儲かる的な発想により、空港があることにより、直接は関係ないと思われていた経済効果があったんだ、という話。
地方空港でも、空港単体では赤字であったとしても、そこにレストランなどの総合施設ができる。
また、道の駅のように地域の農産品や特産品を売ることで地域の農業を始め地場産業に大きく寄与している。
そこで働く人の雇用や所得を産んでいる、ということらしい。
これはどれだけの赤字なら許容範囲なのか、など細かな分析が必要だとは思うが、大きく捉えると、そう思わなくもない。
今回のコロナショックでは中部国際空港が大打撃を受けた、という記事を読んだが、きっと成田空港や関西国際空港だけでなく、地方空港も打撃を受けているだろう、もちろん、そこで働く従業員やCAも。
さらには、近隣地域の店舗もそこに関わる人々も。
たいへんなことが起こっている。