さて、今日も技術士1次試験の過去問の勉強を始める。
今日は平成29年度の31問目、トンネル山岳工法の問題をやってみる。
問題は下記のサイトで見ることができる。↓
公益社団法人 日本技術士協会 平成29年度 第1次試験 建設部門
トンネルを掘る代表的な工法は4種類
・山岳工法 → この代表格がNATM工法
・シールド工法 → この代表格がTBM工法。一般にシールド工法は軟弱地盤が適用地質になるが、TBM工法の場合、岩盤もOK。
・開削工法
・沈埋工法
となる。
今回はこの内、山岳工法に関する問題。
シールド工法と比較して覚えると良い。
選択肢➀ NATM工法
周辺地山の支保機能の有効活用とある。
用語として吹付けコンクリート、ロックボルト、鋼製支保工ときたらNATM工法のこと。
NATM工法はシールド工法とよく対比される工法だが、トンネル山岳工法の代表的工法である。
選択肢② 適用地質
適用地質でいうと、シールド工法は軟弱~通常の地盤まで。
山岳工法は比較的、岩盤を得意とする。
さて、地質の問題になるが、洪積層とか沖積層という地層は、いずれも新生代のこと。
先カンブリア代→古生代→中生代→新生代である。
新生代は洪積層→沖積層という順番。
そして、古い地層の洪積層の方が地盤は良い。別の言い方をすると固い。
洪積層が隆起して沖積層を押しのけたような地質は、建築条件としては良い地質となる。
さて、選択肢の問いは、軟岩から沖積層とあるが、沖積層は軟弱な地盤である。
トンネル山岳工法はNATM工法が代表格となるが、比較的固い地盤、岩盤などに適用される。
選択肢③ 断面変更、経済性
この問題もそうだが、トンネル山岳工法の代表的工法であるNATM工法はシールド工法と比較される。
シールド工法の場合、セグメントを設置しながら進むので、断面変更は困難。
また、コストもシールド工法の場合、山岳工法と比べてかなり高くつく。
選択肢④ 切羽の安定
ここもシールドと比較する。
切羽が安定していなければ、掘削したところから崩壊する。
そのため、シールド工法で軟弱地盤を掘削するため、掘削個所はすぐにセグメントで支えなければいけない。
しかし、安定した切羽ならば、いくらかの時間的余裕があるので、コンクリート吹付けをしておけば、鋼製支保工を設置してロックボルトを打って・・・といった対策が可能となる。
ただ、切羽が安定しない場合は、補助工法が必要となる。
選択肢⑤ 留意事項
山岳部では渇水。
リニア工事の静岡県問題を思い出すが、まさにリニアの掘削もトンネル山岳工法、つまりNATM工法が取られている。
静岡県が拒否しているのも渇水の問題。
また、都市部では、地表面の沈下が問題となる。
原因は地下水位の低下である。
以上