ここ最近は防災関連のブログが多いので、防災の基礎的な単語をメモすることにする。
実は、よく聞く言葉なんだけど、正確には知らない言葉が多い。
「正確に知っている」のと「何となく知っている」のとでは、新聞などを読む際にも理解の深さが変わってくる。
浸水想定区域。
最近のブログでも書いたけど「浸水想定区域が立地適正化計画で定められている居住誘導区域と重なっていることが問題となっている」とのこと。
正確にはどう意味なのか浸水想定区域とは何か?
正式名称は「洪水浸水想定区域」と「高潮浸水想定区域」の2種類がある。
今回は「洪水浸水想定区域」についてメモをしたい。
洪水なので河川の氾濫(外水)について、浸水が想定される区域という意味。
これは、すべての河川ではなく洪水予報河川と水位周知河川に指定された河川のみが対象となる。
この河川について、想定される最大規模の降雨に対し、その区域と浸水深と浸水継続時間を「洪水浸水想定区域図」として公表している。
公表するのは国交相と都道府県。
市町村の役割は、国や都道府県が公表した洪水浸水想定区域図から「洪水ハザードマップ」を策定することとなっている。
この洪水ハザードマップには、洪水予報などの伝達方法や避難場所などを記載することとされている。
さて、洪水予報河川や水位周知河川とは何か。
水防法により浸水想定区域の公表が定められている河川。
洪水予報河川は、流域面積が大きく、洪水により経済的に大きな損害が出ると予想される河川。
水位周知河川は、洪水予報河川以外で、氾濫により住民に損害が予想される河川。
洪水浸水想定区域図は平成27年に水防法が改正されて、「想定される最大規模の降雨」によって浸水することが想定される区域を示すことになった。
それまでは、「河川整備において基本となる降雨」とされていた。
これもよく分からない言葉だけど、簡単に言うと、河川整備、つまり堤防の高さや護岸などの河川施設の規模を決めるときに基準となる降雨のこと。
実は、堤防の高さなどは想定される最大規模の降雨に対応したものにはなっていない。
そんなことをしたら、河川整備コストが高くなりすぎて、現実的な整備コストではなくなってしまうから。
そのため、河川整備において基本となる降雨とは、基本高水を算出するための降雨となる。
この算出はとても複雑らしい。
推測統計学だとか訳の分からない言葉が出てくるが、言えることは、基本高水はあくまで今の河川整備の根拠となる数量であって、想定される最大規模の流量ではない。
さてさて、水防法が改正されてから5年が経つが、実はまだハザードマップが改定されていない河川もある。
自分の近くの河川が改正された新しい洪水浸水想定区域図になっているかHPに見ると分かる。
当然、国や県の洪水浸水想定区域図が改定されていなければ、市町村が作成するハザードマップは改定されていない。
さて、我が町のハザードマップは最新バージョンになっているだろうか?