最近、アフターコロナの都市の在り方について、メモりながら考えている。
そんな中、昨日、国交省が「スマートシティ実行計画」を策定したことが発表された。
これはすでに、国交省から公募があって全国15の都市のプロジェクトが選定されていた。
昨年はこの15のプロジェクトについて、実行計画を策定するため、資金やノウハウの面から支援があったらしい。
と、その前に、スマートシティを国交省はどのように定義しているのだろうか。
実はこの言葉は国交省からスタートしたのではなく、最初は経済産業省だったと記憶している(すこし曖昧)
まだ、AIだとかIotという言葉もなく、環境意識の高まりからのエネルギー最適化施策だったと記憶。
これが、近年の新技術の著しい躍進によって、都市機能のあらゆるところに、情報技術を備えることで、都市の課題を解決できるのではないか、と考えられるようになったことが大きい。
なので、都市施策全体を所管する国交省が旗を振るようになった、というところだろう。
で、国交省の定義は、
「都市の課題をICTなどの新技術を使い、マネジメントし、全体最適が図られ、持続可能な都市」
と、キーワードは、新技術、マネジメント、全体最適、SDGsとなる。
昨日、発表された実行計画を眺めてみたが、15のプロジェクトでは交通が多いなという印象。
国交省は、交通、自然、省エネ、災害対策、資源循環などの分野を挙げているが、やっぱり今はMaaSが流行りなのか
気になるのは、埼玉県の毛呂山町のプロジェクト。
自動運転バスを2023年に実装するという。
まあ、2023年ごろなら、過疎の人があまり歩いていない場所で、決まったルートを通る自動運転車はかなりの確率で実装されるだろう、と見ているので、この計画は確実性があるなあと思う。
埼玉の毛呂山町の目白台地区に鉄道駅までの自動運転、さらに中山間地帯へ展開とある。
後は、ドローンによる農業生産性の向上。
これは詳しくは知らないが、ドローンはインフラ管理においては、かなり進んでいる。
実際、道路橋のメンテナンスには、ドローンによる点検が国交省も認めるなど、ICT技術の中でもドローンの存在感はかなりのものがある。
農業はこれからのアフターコロナにおいても、無視できないテーマになると思うので、毛呂山町のプロジェクトは注目したい。
後、愛知県の春日井市の高蔵寺ニュータウンでは、NT版MaaSを進めるとしているし、計画名そのものにも「モビリティ」が付けられている。
春日井市の高蔵寺といえば、名古屋のベッドタウンという街なので、都心でもなく過疎でもなく、という土地。
さっきも言ったとおり、自動運転は過疎で人が歩いていないような、でも高齢者は住んでいて買い物難民になっているような、そんな地域でスタートが理想と思っていたけど、春日井市はそんなに過疎ではないだろうけど・・・。
春日井市の高蔵寺では、「ゆっくり自動運転、相乗りタクシー、パーソナルモビリティ、自動運転バス、駐車場マネジメント」を行うという。
まず、今年度に相乗りタクシーを実装し、来年度にラストマイル自動運転というスケジュール。
ふ~ん、相乗りタクシー、これは2019年に解禁になったはず。たぶん。
これが実は日本の法律ではダメ、だったんだけど、今はOKのはず、たぶん。
で、高蔵寺はこれを実装するというんだけど、いまいち驚きはない。これがスマート?そうかな~という印象。
どれだけ、利用されるのかな。
ぼくがタクシーを利用するときは、終電がなくなるまで飲んでしまったとき。
もしも、相乗りアプリみたいなものがあって、同一方面に向かう人を3人くらいタクシーが自動で検知して、3人を拾ってくれるサービスがあれば、終電逃したときなんかに使うんだけどな~。
そんなお得なアプリがあれば、終電を逃すのが平気になってしまうから、やっぱりそれも考え物。
あと、ラストマイル自動運転。
これは最後の1マイル、つまり公共交通を降りて、最後の家までの1マイル。ここを自動運転で家まで連れて行ってくれる、というもの。
現状はタクシーを利用しているんだろうか。
ラストマイル自動運転で課題を解決できるということは、春日井市の高蔵寺ニュータウンは最寄り駅からそれなりの距離のあるニュータウンなのかもしれない。
ラストマイル自動運転は高齢車の足となることを期待されていると思われ、終の棲家として春日井市に来てね~。ということかもしれない。
しかし、自動運転というのが気になる。
これは、どういうプロジェクトなんだろう。
ん~、体制を見てもトヨタなどの自動車メーカーは入っていない。
かといって、NTTdocomoが参加するわけでもない。
どうやってやるんだろう??
他にも面白そうなプロジェクトとしては
宇都宮はLRTを軸にスマートシティを実現する、としているし、他にもスマート農業、AIを活用した渋滞事前予測など、なかなか興味深いプロジェクトがあるようだ。
全体をぼんやり眺めていると、大きな都市は慎重な感覚。
小さな都市ほど攻めている印象がある。
良くも悪くも大都市では、きっと稟議書を回すうちに可もなく不可もなくのプランになってしまうのかな。
実情は分からないけど。
さらに、都市をまるごとネットで繋いで、都市のあらゆるエネルギー、交通、防災などを解決する、という国交省が当初に定義したスマートシティには、ほど遠いなあ、という印象。
ただ、前にも書いたとおり、そんなことは新たに街一つを作るようなトヨタのウーブンシティぐらいしかできないだろう、と思う。
それでも、まずは15のプロジェクト、実装した情報など、気づいた範囲で取り上げていきたい。