前回の続き。
前回のブログ記事で第2章までを読んで都市の課題を挙げた。
そして第3章の解決策っぽい内容を読んでいてふと疑問が湧き起こる。
えっと、MaaSって何だっけ、と。
ぼくのイメージは、スマホで家からシェアリングチャリを借りて、駅に停めて地下鉄に載り継いで、オフィスに向かう。
どのルートが最短時間でいくことができるのか、自転車もバスも地下鉄もJRも飛行機も、全ての移動手段を一つのアプリを起動すれば示してくれる。
そんな風に考えていたのだけど。
よくよく考えみると、それってそんなに便利なことか?
そんなに革新的なことか?
今も複数のアプリで可能である。
確かに複数のアプリを使うので手間ではあるけど、そんなに毎日毎日、行ったことのない場所に出歩いていない。
ルート探索から決済、発券までというが・・・それも、そこまで騒ぐことか。
その流れの中に、自動運転車の要素が入れば良いのか?
シェアリングカーの考えを取り込めば良いのか?
本書によると、答えは△のようだ。
マイカー、自転車、バス、電車、飛行機という移動手段にスマホでルート探索から発券、決済までのIT技術を使いこなし、自動運転やシェアリングという考え方を入れ込む、それはそうなのだが・・・。
説明が難しいが、その人にあったルート探索、つまり時間が早ければ良い訳でも、安ければ良い訳でもなく、自分の趣味趣向にあったルート探索が可能らしい。
さらに、ルート探索だけがMaaSの破壊力ではない。
そのような移動手段を活用するためにインフラが変わっていく、ということ。
インフラが変われば街路が変わり、街の様子が変わり、使われ方が変わり、新しいライフスタイルが生まれ、新しいビジネスも生まれる。
そのMaaSを進めることで、新しい価値観やライフスタイル、持続可能な社会構築、安心安全なまちが作られる。
MaaSが盛り上がっている理由のようである。
その人々の生活を一変させるMaaS、その成功の鍵は交通機関のデジタル化。
様々な交通民間事業者がAPIを通じてMaaS事業者に情報を提供する仕組みができないといけない、とのこと。
APIとはApplication Programming Interface
インターフェースとはAとBをつなぐもの。USBはパソコンと周辺機器をつなぐインターフェース。
アプリとプログラムをつなぐものが、今回のMaaSのAPI。
そして、
アプリとは広い概念でスマホのアプリが思い浮かぶが、あれを抽象的な表現をすると、OS上で動くソフトウェアのこと。
例えば、iosというiphoneやipadのOSでは、appleの純正ソフトのカレンダーアプリや写真アプリは動くが、OSがアンドロイドのスマホでは動かない。
つまり、特定のOSの上でしか動かないソフトであるアプリを別のOS上でも動くようにすることをAPIを公開する、という(多分)
MaaSを進めるには、例えば、JRとNTTドコモの自転車シェアリングのアプリを連携しないといけない。
さらに、決済サービス会社のアプリ、もしかしらたらGoogle マップのアプリも連携させないといけない。
この辺りは、ITリテラシーが低いため、その困難性の判断ができない。
いずれにしても、MaaS事業者はAPIを公開して、どの事業者が使っているアプリも連携できるようにすることで、ハブのような機能を持つのだろう。きっと。
MaaS発祥の地であるフィンランドでは、2018年に交通サービス法が制定されており、世界初のMaaS法と呼ばれているらしいが、その中身は、交通事業者はサービスに関する情報を自由に利用できるようにしなければならない、としている。
つまり、人々が移動した情報というのは個人のもの、企業が集めたものでも公共的な財産と捉えているわけだ。
フィンランドにとっては、MaaSは新しい産業として育成し、インフラとして輸出していく旗艦事業としていきたいらしい。
交通事業者、銀行、保険、エネルギー、通信、地図、物流、商社といった企業が参加しなければならず、また、多くの企業がプラットフォーマーになりたがるらしい。
このようなMaaSが進展すれば、多くの都市の課題が解決されるのだという。
課題とは、前回のブログ記事で書いた
交通事故、交通渋滞、車の稼働率5%問題、公共交通分担率の公共交通破壊、外出しなくなった若者問題、スマホ依存、車両や運転手の非効率性、これらの課題を解決する力がMaaSにはあるのだという。
次回は、第3章のMaaSにより上記の課題が解決され、結果としてライフスタイルや都市がどう変わるのか、本書を読み進めながら書いていく。