今日は技術士1次試験のR元年の問題。
28問目の水力発電の水路について。
過去問は下記のHPから取得できる。
「公益社団法人 日本技術士会」過去問 第一次試験 令和元年度 建設部門
水力発電は構造面から「ダム式」と「水路式」とその「ミックス」の3種類がある。
今回の問題は「水路式」の発電方式についての問題となっている。
構造面というのは、どうやって落差を得るのか、という違い。
今回は関係ないけど、ネットを調べている途中で見つけたのでメモっておく。
水力とは、流水が持つエネルギーのこと。
流水が持つエネルギーとは、位置エネルギーと運動エネルギーと圧力エネルギーのこと。
それぞれ、mgh、mv2/2、mP/ρ
これをmgで除したものを水頭という。
位置水頭・・・h
速度水頭・・・v2/2g
圧力水頭・・・P/ρg
単位は高さとなる。
話を水力発電に戻す。
水力発電は高い所から水を落として、その時のエネルギーでタービンを回して誘導電力を発生させて電力を得ている。
そのときに、水路式の場合の簡単な構造を知っていると、この問題は解ける。
選択肢➀ 導水路と放水路
これは導水路と放水路という名称の違いを聞いている。
栃木県のHPが分かりやすいのでリンクを貼っておく。
図で見れば一目瞭然。
選択肢② 水路の構造的種類
水路は放水路と導水路があることは選択肢➀でやった。
その水路の構造的な種類は?
開渠、暗渠、トンネル、水路橋、逆サイフォンなどがある。
また、水理学的には、無圧水路と圧力水路がある。
そのとおり。
選択肢③ 無圧水路
無圧水路の場合、圧送しないので自然流下で落ちる。
通常、勾配を急にすれば、流速は増す。
そのため同じエネルギーを得るのに、水量は少なくて済むので、水路の断面積は小さくて済む。
次に損失落差というものを調べる。
損失落差とは、導水路の勾配や水圧管の摩擦などによる損失(ロス)のこと。
勾配が急になるとエネルギー損失が発生しているらしい。
なので、落差の損失は大きくなる。
ちなみに、有効落差というのは、発電力を求める際の元になるものだが、この有効落差は総落差から損失落差(ロス)を差し引いて考える。
総落差というのは、取水位(取水地点の水面標高)と放水位(発電所から放水される水面標高)の標高差(高低差)のこと。
この有効落差と総落差はH30年に出題されている。
選択肢④ 無圧トンネル
無圧トンネルなので、トンネル内の上面には水が触れないのだろう。
岩盤が良好な場合、天端アーチ部を素掘りのままとする、というのもありかな、と思う。
人が通る訳でもないので化粧をする必要もないだろうし。
選択肢⑤ 圧力導水路
サージタンクについて知らなければいけない。
導水路の先に「水槽」がある。
導水路が圧力水路であった場合、ここでの水槽は「サージタンク」と呼ばれる。
圧力水路内では当然、水に圧力が掛かっているが、あまり圧力が上昇すると水管に負荷が掛かってしまう。
そこでサージタンクでは過剰な圧を逃がし、水管が痛むのを防ぐ役割を果たしている。
分かりやすいHPがあったのでリンクを貼っておく。
動水勾配というのは、ある地点間の水頭差を距離で割ったもの。
なので、単位長さあたりの水頭差となる。
なぜ、水頭差が生まれるかは損失水頭があるから。
選択肢➀にもあるように、取水口からサージタンクまでの導水路において、動水勾配線以下になるように、水路を設置する。
すると、水路勾配に関係なく動水勾配で流下するらしい。
なんか、よく分からない。
選択肢⑤はよく分からなかった。
たぶん水理学が分かっていないからだと思う。
また、いつか挑戦する。