技術士1次試験、R元年度の34問目の環境影響評価法の問題を解いていくことにする。
過去問は下記のHPから取得できる。
「公益社団法人 日本技術士会」過去問 第一次試験 令和元年度 建設部門
まずは、いつものように選択肢の問いを見ていく前に、そもそも環境影響評価法って何?というところからメモっていく。
1997年に制定された法律。通称、環境アセスメント法という。
簡単にいうと、大規模事業を行う前に、環境への影響を予測、調査、評価して、公害や環境破壊を防ぐための法律。
法律は1997年だけど、その前後の年に、各自治体で環境影響評価条例が制定されている。
各自治体の条例は、法律では対象にならない規模や内容を拾えるように対応したもの。
なので、基本は法律を補うような条例となっている。
つまり、より環境に配慮しよう、というもの。
よって、環境と経済がトレードオフの関係にあるのならば、経済にはマイナスに働く方向に自治体の条例は作られている。
一般に国よりも自治体の方が、弱者からの声には弱い、という状況が表れているようにも見える。
条例は各自治体で若干の違いがあるので、ここでは法律についてメモっておく。
まず、対象事業は
・道路
・河川
・鉄道
・飛行場
・発電所
・廃棄物最終処分場
・埋め立て、干拓
・土地区画整理事業
などなど、全部で13事業。
ちなみに、港湾事業はこの法律ではない別の法律で同様の手続きを行うため、環境影響評価法では対象外となっている。
また、発電事業では、太陽光は対象外となっている。
上記の事業の中でも、事業規模によって・・・つまり、道路なら4車線以上10Km以上、のように、規模によって対象となるか対象外かは違う。
さらに、環境に及ぼす影響が大きく必ず環境影響評価の手続きを踏まなければならない第1種事業と、影響の度合いが第1種事業よりは小さいため、個別の判断とされている第2種事業がある。
手続きの流れは
配慮書 → 方法書 → 準備書 → 評価書 → 報告書
第2種事業の場合、この手続きにのせるかどうかの判断が個別判断となる。
その判断のことをスクリーニングという。
また、環境影響評価の方法を決めることをスコーピングという。
まあ、このくらいで選択肢の問いを見ていく。
選択肢➀ 公布された時期
平成9年に公布され、OECD加盟国中でもっとも遅かった。
これは正解。
日本は建設業界の反発などがあり、この法律の公布はとても遅かったらしい。
選択肢② 条例
すべての都道府県、政令指定都市とあるが、全て制定している、らしい。
選択肢③ スクリーニング
規模によって第一種か第二種か決まってくるが、第一種は必ずアセスを実施しなければいけない。
しかし、第二種事業ではそうではなく、第二種アセスを実施するかどうかを判定するための手続きがスクリーニングという。
選択肢④ スコーピング
少しスコーピングの手続きを確認する。
まず、事業者が「方法書」を作成して、都道府県知事や市町村長に提出する。
方法書には、どのような項目について、どのような方法で調査、予測、評価を行うのかを記載する。
方法書を作成したことを公告し、市役所や事業者のウェブサイトで、1カ月間の縦覧を行う。
他にも、事業者は説明会を行ったり、一般の人から意見をもらい、それを県や市町村に提出し、県等から意見をもらう。
この手続きをスコーピングという。
選択肢⑤ 事後調査計画の記載の省略
準備書というのは、調査・予測・評価・環境保全対策の検討の結果を示し、環境の保全に関する考え方を取りまとめたもの
評価書というのは、縦覧された準備書に対し、一般の方からの意見を踏まえて検討したもの
で、これらの書類は、予測不確実性が少ない項目については、記載を省略できるらしい。
今日は終了。